2004年09月30日

シティバンクが違反をくり返した背景に米国本社CEOの影

今日もシティバンク関連です。シティバンクがなぜあれほどの違反をくり返す銀行になってしまったのか、原因について解説した記事を2本読み解いてみます。

「日経ビジネス」の記事「弱気派との絶交まで宣言、シティバンク在日支店の異様な強気」から抜粋。記事の署名は酒井耕一氏。

キーワードは「強気」。幹部は攻めの姿勢を訴えるため、社内ではこう強調していた。「シティの日本事業は弱気だと思っている人が周囲にいるかもしれない。そんな人とはつき合わない」。異様とも言える強気ぶりだった。

この記事では、シティバンクが次々と違反を起こす背景に、強気で押していった社内の姿勢をあげています。そしてその原因は暗に米本社のチャールズ・プリンスCEOあるとします。

プリンスCEOは今年2月、シンガポールへの出張の帰りに密かに日本を訪れて事業強化を指揮した。4月にも来日して、日本における寄付活動について記者会見も開いている。一方で、プリンスCEOは欧州事業の強化のために、ドイツ銀行との合併話を進めたが、破談となった。

米国のみならずアジアや欧州で攻めを続けたわけだが、リスク管理は置き去りだったと言わざるを得ない。

金融庁が在日支店に非公式に接触したのは、4月のプリンスCEOの来日から間もない頃だ。また6月にはシンガポール支店で約12万人分の顧客名簿をなくすという不祥事が起きている。さらに現在、ロンドン支店でもユーロ国債の売買を巡り、英当局の捜査を受けている。プリンスCEOの訪問地域で次々と不祥事が起きるのは、偶然だろうか。

今回は日本のシティバンクの、さらにその中のプライベートバンク部門だけが処分されました。しかし、この記事が指摘するように、問題の根が世界最大の銀行であるシティバンク本社にあり、それゆえ世界中でこのような違反、犯罪が行われる可能性があると考えると、背筋が寒くなる思いです。

続いて、「エコノミスト」2004/10/5号の「違法業務を生み出した米国本社の厳しいノルマ」から抜粋。こちらの署名は東京情報大学助教授 堂下浩氏。

その背景には、シティグループの米国本社が課した厳しいノルマを達成するために、社内の法令順守が後回しにされたことがある。

この記事でも、違法行為の遠因として米本社の影響をあげています。

富裕層には既に日本の証券会社や銀行が深く入り込み、よほどの運用力か提案力がなければ新規参入する隙はない。(略)新規参入しても資金洗浄や租税回避といった、日本の金融機関が法令違反を理由に断った案件しか残されていない。

さらに、日本国内で新規参入したプライベートバンク部門が置かれた困難な状況が違反の下地になったと指摘します。そしてシティバンクがトラベラーズグループに買収される前の、旧シティコープ時代からのプライドを持っていた日本の行員たちはこうした戦略の中で、従来行ってきた住宅ローンの撤退やプライベートバンク業務に対する本社からの無関心に直面していたという説明が続きました。結びは筆者の結論。

こうした経緯を考えると、今回の事件は在日支店幹部がシティバンクの本流業務を存命させたい一念で、米国本社からの厳しいノルマを達成するために手を染めた違法業務と見ることができる。

この記事は実は文章全体を読むとあまり整理されてなくて、意図をはっきり読み取りにくいのですが、筆者の分析は、背景に米本社の影響はありながらも日本支社の暴走が主因、ということなのでしょう。

次回は、金融庁がシティバンクの行政処分にあたり公表した2つの文書を見てみます。シティバンクはどんな違反をくり返してきたのか、社内体制にどんな欠陥があったのか、文書の中でいやになるほど指摘されているようです。

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