2004年10月12日

投資信託の諸費用は注目されてないけど

投資信託の運用で差し引かれるコストといえば「信託報酬」ですが、それ以外にも「諸費用」というのが差し引かれることがあります。運用のコストでは、信託報酬だけ気にしていてはいけない、ということですね。僕の保有している「MSCIコクサイポートフォリオ」では、この諸費用を値上げするという通知がありました。

いままで諸費用について全く注意をしていなかったので、値上げの通知が届いたときには「いったい何のこと?」という感じでした。実をいうとこの通知、正確には「MSCIインデックス・セレクト・ファンド - コクサイ・ポートフォリオにおける“諸費用”に関するお知らせ」が届いたのは今年の2月。そのままほったらかしておいたのです。

あらためてその内容をよく読んでみましょう。

・ファンドの運用にかかる諸費用は投資家の負担としている
・目論見書および約款において、諸費用を年率0.05%を上限としていた
・しかしこのところ資産規模が少なく、0.05%を上回る状況が続いていた
・そこで、これからは諸費用の上限を撤廃したい
・当面は上限を0.1%と考えている
・結果は目論見書にて報告する

というのがそのあらましです。いままで0.05%を上回る部分はどうしていたのかというと、「委託会社が支払う諸費用の金額はかかる上限率をもってファンドから得る額を上回る状況が続いております。」と、はっきり書いていません。おそらく運用会社が持ち出していたのではないでしょうか。ということは、信託報酬の中からひねり出していたんでしょうか。

では最近になって資産が減っているのかと、過去5年間の資産のグラフをみてみると、一時期は大きく減っていたものの、2003年の半ばからは持ち直して、2004年現在では2000年頃の約半分程度になっています。下のグラフは、上の折れ線が基準価格、下の棒グラフが資産を示しています。2001年1月にがくっと減って、そのまま徐々に減っていったあと、2003年半ばに急に増えています。
msci.gif

なぜ資産額が現在の約半分程度まで落ち込んだ最低期の2002年後半ではなく、それよりも資産が増えた今頃になって諸費用を値上げしたのかはよく分かりません。

ちなみに、この投資信託の信託報酬は0.945%。これに諸費用の0.1%が追加されていても0.955%。それほど高くありません。とはいえ、この動きには引き続きチェックが必要な気がします。

[関連カテゴリ]
7.販売手数料と信託報酬
8.証券会社はどこがいい?

[広告]

[ブックマーク]  Yahoo!ブックマークに登録

≫次 : だれにでもグロソブを勧めるのもどうかと思うなあ
≪前 : フィデリティも特定口座や毎月分配型投資信託を開始

ジョニー (2005/07/19 7:04:20)

最後の一文の計算が間違ってますよ

ファンドの海管理人 (2005/07/19 21:47:58)

ジョニーさん、ご指摘ありがとうございます。確かに間違ってますね。正しくは、
0.955%-->1.045%
ですね。

アルビレオ (2005/07/20 5:31:57)

今までも0.05%は信託報酬とは別に負担していたのだから、増分は0.05%です。
0.1%増えるような書き方は誤解を招くかと。

0.995%-->1.045%
ですね。



[トラックバックURL]