2004年11月29日
インデックスファンドの受益者が損をする可能性
日経平均やTOPIXなど国内の株価指数に連動する投資信託は、投資家が損をする可能性がある、という記事が、ブログ「たけくらべ」の「インデックスファンドの死角」で紹介されていました。これは読まねばと、さっそく紹介されている記事を読んでみました。
その記事は、週刊ダイヤモンドの11月27日号の57ページ、山崎元氏の連載「マネー経済の歩き方」。タイトルは「指数連動ファンドの投資家が損をする理由」です。山崎氏のこの連載は、そういえば以前のエントリ「『投資信託は顧客に不利』と山崎元氏は言う」でも取り上げたことがありました。
今回、山崎が指摘しているのは、今年9月に行われた日経平均の対象銘柄の入れ替えに関して、不自然な値動きがいくつかの銘柄で行われた、ということ。例えば、
・日経平均に新たに組み入れられた銘柄は、入れ替え前日は値が上がり、翌日には値が下がった
という指摘をしています。日経平均に連動する投資信託は、日経平均の対象銘柄が入れ替えられれば、当然それに沿って不採用になる銘柄を売って、採用される銘柄を買います。そのため、銘柄入れ替えがあればどの株が大量に売られて、どの株が大量に買われるかは事前に分かってしまうわけ。それを狙って株を売り買いすれば、ちゃっかり儲けられる、ということらしいです。
で、こういうことをやって儲けているのが証券会社の自己売買部門で、その結果、日経平均に連動している投資信託は安くなった株を売らされ、高くなった株式を買わされてしまうので、受益者は損をしている、というのが山崎氏の指摘。
同じようなことは、TOPIXの銘柄入れ替えでも起こるのだそうです。つまり日経平均、TOPIXという日本の2大指数の両方とも、それに連動する投資信託の受益者は損する可能性があるということになります。
多くの投資信託の書籍で、インデックス投資が効率がよいという説明を読みます。しかし、この記事が本当なら、インデックスファンドよりも、インデックスの銘柄入れ替えに左右されず、独自に銘柄を選んで長期で保有する投資信託、例えば「さわかみファンド」のような投資信託が、もしかしたらいちばん有利なのかもしれないなあ、とこの記事を読んで思います。
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