2005年02月25日
時間分散って一体どういうこと?
投資信託の大きな特徴の1つが「分散投資」です。1つの投資信託は、いろんな株式や債券への投資で成り立っています。いわゆる「銘柄分散」ですね。
分散投資の方法には、この「銘柄分散」のほかに、もう1つあります。「時間分散」です。時間分散は、例えば毎月一定額を株や投資信託に投資していくことです。株や投資信託はつねに価値が上下していますので、投資する時間を分散することで購入価格を平均化して、高値で購入してしまうリスクを減らします。
で、以前から僕は時間分散の効果はいったいどれくらいなんだろう、と思っていて、今回いろいろ調べたのですが、その前に「時間分散」という用語に2種類の意味があることに気がつきました。
1つ目の意味は、そもそも僕が理解していた意味での「購入時期の分散」です。つまり、「毎月ちょっとずつ購入」するといったことを指します。
例えば、野村證券の用語解説「時間分散投資」では、
「つまり、一度に資金の全てを投入しないことも大切で、何度かに分け、時間を分散して売買することが大切である。」
ニッセイアセットマネジメントの解説「分散投資について(2)」でも、
「今度の分散投資は“時間”、つまり投資タイミングを分散することです。」
日興ビーンズ証券の「ファンド買い方マニュアル:時間分散の効果」でも、
「一般的な積み立て投資では、毎月一定金額(1万円からはじめられるところが多い)の購入を行っているのではないでしょうか。」
ジェット証券の「株用語集」にも、
「株式を購入または売却するときに、一度に売買しないで、数回に分けて投資を行うことです。」
などとあります。これが「時間分散」の唯一の意味かと思いきや、どうやら「時間分散」を「長期保有」という意味で使っているところがあるようなのです。
日本総研の論文「再考:年金資産の運用規制緩和-投資リスクの時間分散効果論争からの視点」から。
「近代ポートフォリオ理論(MPT)においては、株式のような運用リスクの大きい資産であっても、長期に保有すれば運用リスクは縮小する(投資リスクの時間分散効果)とされている。」
SRI Cafeの「長期投資と分散投資」から、
「さて時間の分散の話。実は長期投資の秘訣は時間を味方に付けること。これは時間を分散するということなのです。つまり長期投資とは時間分散投資ということ。」
構想日本の「[提言]「年金運用」に歯止めを」から、
「一般に株式は長期的にはリスクが低減する(時間分散効果)と言われているが、」
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント「世界分散投資の魅力」から、
「ただし、長期でとりくむ、いわば、「時間分散」を行うことによって、さらなるリスクの低減を図ることができます。」
こうやって調べたことを書いているうちに、この2種類の意味が示すことがなんとなく分かってきました。(つづく)
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