2005年03月17日

モーニングスターのファンド・オブ・ザ・イヤー2004 に「ノムラ 日本株戦略ファンド」

少し前の話題なのですが、投資信託の評価会社としてよく知られているモーニングスターが選出したファンド・オブ・ザ・イヤー2004で、なんとあの「ノムラ 日本株戦略ファンド」が国内株式型・国内ハイブリッド型部門の最優秀ファンド賞に選ばれました。2004年度の投資信託の中のベストスリーの1つに選ばれたことになります。

なぜ、この投資信託が選ばれたことがトピックなのかというと、この投資信託は「かつて大失敗して、投資信託の評判を激しく落とした」として有名だからです。

以前書いたエントリ「そして塩漬け旗艦ファンドの行方は?」でも、「ノムラ 日本株戦略ファンド」について書いたことがありますが、この投資信託は5年以上前に野村證券が鳴り物入りで販売を開始して、日本の投資信託として初めて一兆円を超える資金を集めました。にもかかわらず、運用に失敗して基準価格はTOPIXを超えて鋭く下がっていき、基準価格は半分以下にまで落ち込んだという、ある種の頂点から一気にどん底へと勝手に落ちていった投資信託として、多くの人に記憶されているのです。

その投資信託に対して、昨年の「最優秀ファンド」という評価をモーニングスターは与えたのです。これは僕にとっても驚きです。あるマネー雑誌にもこのことがニュースとして載っていて、モーニングスターの関係者が「この投資信託に賞を与えることは、内部でも議論があった」といっていたようなコメントがありました。

ファンド・オブ・ザ・イヤー2004の選考基準を読むと、

・定量評価:運用期間や総資産額、そしてモーニングスターのレーティング
・定性評価:運用方針や戦略、調査体制、運用プロセス

など、総合的な評価の上で決定したとのこと。

僕は、この投資信託に賞を与えることに反対かというと、そうではありません。過去にとらわれずに投資信託を評価するのは悪くないと思います。ノムラ戦略ファンドの関係者も、過去の悪評を振り払うべく努力してきたことが少しでも報われたことは嬉しかったのではないでしょうか。

ただし、あえていえば、長期での運用結果によって評価されるべき投資信託が、あれほどの悪評からわずか5年程度で賞をとれるというのはちょっと早くないか、ということが気になります。それでも、過去の失敗を挽回すべく努力する投資信託が、このように評価されていくことは、投資信託全体を良くすることにもつながっていくとは思いますけれど。

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