2005年03月 7日
時間分散とドル・コスト平均法
前回のエントリ「長期保有に投げかけられた疑問」で、長期保有による「時間分散」には“リスク低減効果があまりないのではないか”という疑問がなげかけられている、ということを書きました。これと「ドル・コスト平均法」の関係はどうなんでしょう。
そもそも僕は「ドル・コスト平均法」について調べていたのですが、そのときに調べた「時間分散」という言葉にひっかかって、まずは時間分散について調べた結果、次のことがわかったわけです。
整理してみると、次のようになります。
・時間分散には、購入時期を分散する「購入時間分散」(いわゆるドル・コスト平均法)と、長期保有することで、リスクを時間分散する「保有時間分散」(いわゆるバイ&ホールド)の2種類の意味で使われている(カギカッコ内の名称はいずれもファンドの海管理人の命名)。
・長期保有することでリスクを時間分散する「バイ&ホールド」のリスク低減効果には、専門家によって疑問が投げかけられている。
後者について調べた範囲内では、長期保有の意味での時間分散については論文などが書かれて、まるで数学のようにそのリスク低減効果が調査されているようです(それによって疑問も投げかけられているわけです)。
では、購入時期を分散する「購入時間分散」、すなわち「ドル・コスト平均法」の効果についてはどうなのでしょう? リスク低減効果はどれくらいで、平均購入価格を押し下げる効果はどれくらいなんでしょうかね?
これも調べた範囲内では、入門者向けにドル・コスト平均法の効果の例や方法などを解説したものはあっても、まるで数学のような感じで厳密にその理論や効果などを検証した論文などは(日本語で調べた範囲では)見つかりませんでした。つまり、
・ドル・コスト平均法についても、例はあってもその根拠というか理論は見つからなかった
のです。んー、これでは長期保有も購入時期の分散も、どちらもきちんとした効果が証明されていない、ということなんでしょうかね。
しつこく次回からはドル・コスト平均法について考えていきたいと思います。
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超遅レスですが、ドルコスト平均法は、これを活用して儲けるという類のものではありません。
数学的にいうと、相加平均≧調和平均というのがそのすべてです。
毎回同じ株数を買うのが相加平均、毎回同じ金額を買うのが調和平均に相当します。
調和平均の例を挙げますと、毎月10000円分の株を買っているのですが、1月は株価100円で買い、2月は株価50円で買いました。平均購入株価はどれだけですか。という問題です。
100円と50円の相加平均の75円ではありません。調和平均の67円になります。
リスクは各々の月で同じだけありますから、この方法自体ではリスク低減はできません。
さらには株価の累乗や指数関数を取ってからわり算をすると、低株価の時にはより多くの元手をつぎ込み、高株価の時は少ない元手をつぎ込むように計算できます。
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