2005年03月11日
ドル・コスト平均法の欠点と、あまり語られない利点
ドル・コスト平均法がそれなりに役立つことは、前回のエントリ「ドル・コスト平均法はどれだけ役に立つか?」で分かりました。ただ、多くの解説で見逃している面があると思うのです。
ドル・コスト平均法について、まとまって解説していた中でいちばん参考になったのは、Allaboutの下記の2つの記事でした。
・ドル・コスト平均法って万能?
・たかがドルコスト平均法!されど
最初の記事では、ドル・コスト平均法の欠点として「一直線に値上がりしている場合には、最初に全額を投資していた方が有利」という例を紹介。こういう相場のときには、ちょっとずつ投資するというドル・コスト平均法の欠点が表れますね。しかし、価格がジグザグに上昇する場合や、ジグサグに下降していく場合には、ドル・コスト平均法はそれなりに有利な投資法のようです。
ドル・コスト平均法についてのほとんどの解説は、このように「平均購入価格が低く抑えられる」「一度にまとめて購入するよりもリスクが分散される」といった、計算上の利点を紹介していました。しかし、僕が大事だと思ったのは、2本目の記事に書かれていることでした。
それは、「欲や恐怖心に勝つためのツールとしてのドル・コスト平均法」です。
投資信託が値上がりしていると、もっと儲けようと思って買い増してしまい、高値で買ってしまいます。一方で、投資信託の値段が低調なときには、これ以上損をしたくないと思って、せっかくの安値を見逃してしまいます。「もっと儲けたい」「これ以上損したくない」という欲や恐怖心が、判断を狂わせてしまうのです。
率直に言って、僕はこうしてずいぶん失敗した気がします。いや、その失敗は累損として確実に僕の保有資産に悪影響を残しています。ううう。
ドル・コスト平均法は、前述したように場合によっては不利になる投資方法です(とはいっても一直線に値上がりすることなんてめったにないと思いますが)。その欠点があったとしても、僕は過去の失敗の反省から、「欲や恐怖心に左右されずに投資をするためのツール」としてのドル・コスト平均法を重視しています。
毎月決まった額を投資する、という最初に決めたポリシーを貫いて、たとえ悪い相場でもひるまず、予想以上の加熱相場でもはしゃがずに、コツコツと長期投資を続ける。僕はプロではないので相場を読んだり、機動的に資産を移動することはできません。その代わりに、欲張らず、恐怖にかられず、1つのスタンスを貫く。そのためにも、ドル・コスト法を積極的に利用して行きたいと考えているのです。
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・ 6.投資方法・ドルコスト平均法
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pon! (2005/03/15 2:25:39)
私は、DCA(ドルコスト平均法)の最大の欠点は「一本調子の上昇相場に弱い」というよりも、
「投資期間の後半になればなるほど、複利の効果が得られない」という点にあると考えています。
逆に最大の利点は、「初期投資額が少ない」「下降相場に強い」ことだと考えます。
また、BH(バイアンドホールド)がDCAに勝てるのは、大幅な上昇相場でかつ、相場の変動が少ない時に限られるため、BHとDCAとの比較ではDCAの方に軍配が上がるのは、当然の結果と思います。
機械的な投資戦略として、一度計算したことがあるのですが、最初から多くの金額を投資できるのであれば、毎月キャッシュを50%持つように投資金額をリバランスしながら運用するほうが、手間はかかるがDCAより、変動幅が少なくかつ,DCAよりリターンを稼げる回数が多かったと記憶しています。
(この計算では、税金や信託費用は抜いて計算したはずなので、厳密に計算すると違う結果になるかもしれませんが・・・・)
ファンドの海管理人 (2005/03/16 0:38:40)
後半になるほど複利効果が得られない、というのはそのとおりですね。なるほど。手間さえいとわなければ、おっしゃるような方法とか、以前、別の方がコメント欄で紹介されたバリュー・アベレージング戦略とか、方法はあるらしいんですよね。手間さえかければ..というところが悩ましいです。
pon! (2005/03/17 0:56:21)
バリューアベレージ戦略にしろ、キャッシュの割合を常に一定に保つと言う戦略にしろ、手間がかかる上に面倒だと言う点では、同感です。
これに投資対象分散をかんがえると頭がパニックすること請け合いです。(笑)
私は、長期投資で手間をかけたくないのであれば、投資信託ではありませんが、償還日まで15年以上の米国ゼロクーポン債も投資先として検討する価値はあると思います。
ファンドの海管理人 (2005/03/21 23:28:16)
ponさん、ゼロクーポン債も、長期で保有するにはかなりよさそうですね。名前は知っていたのですが、あまり深く考えたことはなかったです。時間ができたときにでも調べてみます。
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