2005年05月25日
信託報酬は値下げの余地がある
前回に続き、山崎元氏の「投信の信託報酬の過去と現在を考える」の中から、ポイントだと思われる部分を考えたいと思います。
多くの投資信託の信託報酬は、だいたい1.0%から、高いものでは3%の高値に設定されているものさえありますが、山崎氏はこれに異をとなえています。というのも、ある年金運用の料金表を紹介して、こう指摘しているのです。
この会社に日本株式の運用を頼むと、100億円を超える金額に関しては年率0.16%未満の料率で運用して貰えるということです。
そう、引き合いに出された運用会社では、年金の運用は0.16%未満という、投資信託に比べると非常に安価な価格設定がされているというのです。
しかし、運用商品が年金でなく投資信託になると....
ところで、この運用会社は投資信託も運用しているのですが、投資信託の信託報酬率は、日本株式を運用するファンドの場合、年率1.5%程度のものが多く、高いものでは1.9%というものもあります。
と、とつぜん値段が変わってしまいます。びっくりです。僕たちはボラれているのでしょうか?
こうした情報は、山崎元氏のコラムで始めて知ったことなので、いきなりうのみにしてはいけないのかもしれません。
でも、僕が金融系ブログとしていつも読んでいる「たけくらべ」さんも
少し、山崎元氏を褒めすぎですかね(笑)。盲目的に主張を受け入れているつもりはないのですが、他の多くの専門家と比較して、「まっとうであることが多い」と感じるのは事実です。
と書いていらっしゃいます。僕も、山崎氏のこれまで書いたものをいくか読んできましたが、信頼できる書き手だと感じていますし、「信託報酬は高すぎる」という内容は、彼が連載を持っている雑誌のコラムでも過去に書いている、彼の一貫した主張でもあります。
山崎氏のコラムは専門家の立場から投資信託に大きな問題提起をしていることは間違いないのでしょう。
マネー雑誌にも、こうした消費者にとって大事なポイントをはっきり書いてくれる専門家が多数現れることを期待します。いや、広告で成り立っている雑誌では難しいのは分かってますよ(特にリクルートの「あるじゃん」とかね)。でも、それをするのがプロの良心ってものでしょう。
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