2005年05月31日

手数料を取られる分、何か有利なことがあるのだろうか。ほとんどない

投資 4つの黄金則」という本を読みました。最近出た本なので、このブログの右側で紹介している「敗者のゲーム」や「ウォール街のランダム・ウォーカー」といった定番本のような有名な本ではありませんが、エッセンスは同じものを感じる、なかなかいい本でした。

タイトルはちょっとダサい株式投資の指南書のように見えますが、リタイア後の自分の財産を作るといった長期投資家に向けた良心的な本だと思います。ここでも、著者は長期投資の方法として投資信託を進めています。が、そこで彼が書いているのは、やはり次のようなことでした。

何よりもまず避けなければならないミューチュアル・ファンドの罠は、手数料負荷型ファンドである。

このブログをお読みの方なら、おなじみのセリフですね(ミューチュアル・ファンドは投資信託のことです)。そして著者はこのセリフに説得力を持たせるために、次のようなデータを示します。

手数料を取られる分、何か有利なことがあるのだろうか。ほとんどない。表10-1は、モーニングスターの九つのカテゴリーそれぞれについて、10年間のリターンを、手数料のかかるファンド(ロードファンド)と手数料なしのファンド(ノーロードファンド)で比較したものだ。ロードファンドの年間平均リターンは、ノーロードファンドと比較して、0.48パーセントも少ないのだ。(太字はファンドの海管理人による)

そう、手数料を取られても受益者にとってうれしいことは何一つない、という当たり前のことを、アタマで考えて結論を導き出すのは非常に簡単なのですが、ちゃんとデータで示したところに筆者の丁寧さを感じます。そして、ロードファンドの年間リターンがノーロードよりも低いなんて、買った人が知ったら怒りますね。

次回も、別の切り口からこの本をネタに。

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7.販売手数料と信託報酬

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年収1千億円 [為替王から]

アルビレオ (2005/05/31 7:44:29)

>ロードファンドの年間リターンが低い原因は、手数料を取られているから
はて?販売/解約手数料は販売会社によって違うため、モーニングスターのリターンは手数料を考慮せずに計算されています。
アメリカでは違うのかなぁ。
むしろ手数料抜きでもノーロードファンドに負けてるって方が問題ですね。

それよりも説得力がありそうなのは、株式型ファンドよりも債券型ファンドの方が手数料がずっと安いことです。
運用会社はともかく、販売会社にとっては運用先が株式だろうが債券だろうがコストにほとんど差はないはずなのに。
債券だと値動きやリターンが株式よりも小さくなるので手数料を引くとマイナスになりやすいからだと思いますが、言い換えると「取りやすいところから金を取ってる」ともいえます。
つまり手数料の価格決定力は売り手が握っている状態なわけでして、もうちょっと買い手が賢ければ他と比較して本当に優秀なものでない限り手数料の高いファンドなんか売れないはずです。
こういうことがまかり通るからインデックスファンド信者の言う「市場の効率性」というものを私は信じることができません(笑)

ファンドの海管理人 (2005/06/01 1:11:36)

アルビレオさん、こんにちは。ご指摘のように、モーニングスターのリターンは販売手数料を入れていないようです。書籍にも、販売手数料は表に含まれていないと書いてありました。僕のミスでしたので、エントリの一部を修正させていただきました。すいません。

で、おっしゃるとおり、手数料抜きでノーロードファンドに負けているのは大問題ですね。

ところで、最後に書かれた、手数料の決定力を販売側が握っている、ということと、市場の効率性の部分がどうつながるのか、よく分かりませんでした。これって、どういうことなのでしょう? もしよければ教えてください。

アルビレオ (2005/06/01 3:52:16)

すいません、ちょっと勢いで暴走気味でした。
まだノーロードファンドは選択肢としては少数派ですが、購入の判断基準として手数料などを気にしていれば手数料の高い投信を新規に買う人は少なくなるはずなのに、そうはなってない。

人間の判断は合理的でない部分がたくさんある。

市場の効率性なんて信じられるか!
ってな感じです。
実際には手数料以外の要素もたくさんからむので、いくらなんでも短絡的でした。
それに「信者」なんて呼ぶほどインデックスファンドを毛嫌いしてるわけでもないし。
でもこんなニュースも…
http://charge.biz.yahoo.co.jp/vip/news/rtr/050530/050530_mbiz2494997.html

それと、日本の場合はノーロードファンドの成績ってあんまりよくないみたいです。
ノーロードをたくさん販売しているイートレードではほとんどが1万円を割ってるし。
でも探せば好成績のものもあるんですけどね。
(モーニングスターで手数料なしを検索すると確定拠出用ファンドが大量にひっかかってわかりにくい)

為替王 (2005/06/01 23:26:00)

いつもながらですが、今回の記事も大変素晴らしく、まったく同感です。私は金融機関で資産運用という仕事に携わる者として、手数料に見合う運用をしてくれているファンドはごく少数であることを実感しています。

ファンドの海管理人 (2005/06/02 0:25:08)

アルビレオさん、解説ありがとうございます。「市場の効率性なんて信じられるか!」って気持ち、よく分かりました。僕は株式投資の経験はほとんどないし相場にも疎いのですが、でもおっしゃるように日本の株式市場に「高い効率性があるか?」と問われれば、なんとなく「うーんどうだろう」と思ってしまいます。リンク先のニュースなんか読むと、特にそうですよね。

それに日本の市場のインデックス投資といっても、日経225とTopixしかないので、もうちょっといろいろあってもいいのになあと思ってます。そういうわけで、日本株式の投資信託はインデックスにこだわる必要ないだろうとも思ってます。

ファンドの海管理人 (2005/06/02 0:31:36)

為替王さん、コメントありがとうございます! トラックバックといい、感謝です&ほめていただいて恐縮です。僕みたいな利用者の立場からと、為替王さんのように内部にいる方と、一緒にもっともっといい金融商品を夢見て少しずつ現状を変えて行けたらいいですよね。



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