2005年07月22日

スーパーサラリーマンの存在こそ、アクティブ運用が有利な証拠か

国内株式を対象とした投資信託ではアクティブ運用のほうが有利なのではないか、と僕が考える理由を、スーパーサラリーマンの存在が補強してくれました。

スーパーサラリーマンというのは、少し前になってしまいましたが、推定年収100億円で今年の納税額日本一となったタワー投資顧問の清原達郎さんのことです。

1カ月ほど前の日経新聞の「迷解迷答」というコラムで、編集委員の前田昌孝氏が彼を引き合いに出して国内の株式市場について書いています。前田氏は、国内株式市場には大きなゆがみがあると指摘しています。コラムから引用。

ただ、見方を変えれば東京株式市場は特定の運用者に大勝ちを続けさせるほど、ゆがんでいることになる。プロの運用者が大勢参加し、腕を競い合っていれば、簡単にもうけのチャンスは出てこない。

そう。大勢のプロがひしめいている株式市場なら、株価のゆがみはあっという間にプロがよってたかって利用し、すぐに元に戻ってしまうはず。しかし、清原氏が大勝ちできたのは、国内の株式市場はまだそういったプロがひしめく株式市場ではないからだ、というのです。同じくコラムから。

機関投資家の運用の中身を評価・分析している米フランク・ラッセルの専門家も次のような話をしていた。「米国では機関投資家脳運用成績の総平均値は、株価指数の上昇率をやや下回る。ところが日本では運用成績の総平均値が株価指数の上昇率を上回る」

この発言は、米国市場で負けないためには、株価指数に連動した投資信託を買うべき、というセオリーに合っています。と同時に、日本の株式市場では、まだプロの運用にまかせたほうが株式市場で有利な立場に立てるかもしれない、ということを示唆してもいるわけですね。

以前から「日本の株式市場はまだアクティブでいけるのでは?」と僕はなんとなく思っていたのですが、このコラムは、スーパーサラリーマン氏という材料を提示して、より明確にそれを組み立ててくれました。

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3.国内株式の投資信託

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Jony (2005/07/22 9:23:57)

そうですか。日本の市場はまだ成熟しきってないんですねぇ。
しかし、アクティブ運用でもいいファンドマネージャーを探すってのが面倒…

ファンドの海管理人 (2005/07/23 23:39:50)

そうですね、その「いいファンドマネージャー」を探すのが、いちばん難しいですよね。

m@ (2005/07/24 21:16:40)

フランク・ラッセルの専門家も日本の市場はまだ効率的でないというデータを出しているんですね。
僕も、Yahoo!掲示板を見るたびに、まだまだ日本の市場は効率的でないと安心してアクティブファンドを買い付けてます。

為替王 (2005/07/25 22:48:18)

今日の御記事もまさに我が意を得たりの心境です。株式市場だけでなく、債券市場にも為替市場にも非効率性が存在すると私は思っています。
にもかかわらず、私たちの大事な年金運用の世界では、アクティブ運用からインデックス運用への傾斜が進んでいます。結果はなんとなく目に見えてしまいます。

ファンドの海管理人 (2005/07/26 2:13:13)

m@さん、為替王さん、コメントありがとうございます。みなさんからのコメントを読んで、ますます「国内はアクティブ運用でいいんだ」という意を強くしています。
しかし、繰り返しになってしまいますが、「じゃあどれを選べばいいの?」という悩みは残りますよね。はやくもっと効率的な市場になってくれることを祈ります

株式だけでなく、債券市場もそうなんですか>為替王さん。んんん、債券市場には株式市場のような個人投資家はいませんよね。まさに専門家しかいない市場と思うのですが、それでもそうなんですね....

Jony (2005/08/01 9:41:05)

僕はアクティブ運用には否定的なんですけどねぇ。
アクティブ運用はコストがかかりすぎると思います。売買手数料もそうですが、例えば銘柄の選定、売買タイミングの決定など、頭を悩ませる問題が山積しています。これでは時間的・精神的に負担となり、目に見えないコストとなると思います。
「運用というのは作業で無ければならない」というセリフを本で目にしたことがあります。

ちなみに年金の運用方法は下記サイトに書いてあるようです。
http://allabout.co.jp/finance/401k/closeup/CU20050727A/index.htm?FM=rss



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