投資信託のブログファンドの海

2つ前のエントリで、ステート・ストリート外国株式インデックス・オープンだけがベンチマークを下回っていると指摘して、「せっかくノーロードのいい投資信託だと思ったのですが、ちょっと残念です。」と結論づけたのですが、どうやら間違っていたようです。

「インデックスファンドがインデックスどおりとは限らないの？（3）」では、運用報告書からベンチマークとの乖離を抜き出して、ステート・ストリート外国株式インデックス・オープンだけがベンチマークを下回っていることを発見しました。そのため、

どうやらこの投資信託は乖離を小さくすることに成功していないようです。せっかくノーロードのいい投資信託だと思ったのですが、ちょっと残念です。

と、ベンチマークよりもリターンがマイナスに乖離していたことを念頭に置いて「ちょっと残念です」と書きました。しかし、あらためてほかの投資信託とリターンを比較したところ、ステート・ストリート外国株式インデックス・オープンが劣っているわけではないことが分かりました。

以下が比較データです。ヤフーファイナンスで、MSCIコクサイ指数をベンチマークとする5つの投資信託を選び、過去1年と3年のリターンを抜き出しました。すると、ステート・ストリート 外国株式インデックスは実はリターンが一番よかったのです。

ドイチェ・世界株式F(インデックス連動型)B
1年 12.88％
3年 6.58％

すみしん 外国株式インデックス･オープン
1年 13.23％
3年 6.90％

ダイワ 投信倶楽部外国株式インデックス
1年 13.11％
3年 6.54％

ステート・ストリート 外国株式インデックス
1年 13.26％
3年 6.63％

MSCIコクサイポートフォリオ
1年 11.56％
3年 5.59％

ここに挙げた投資信託はどれもMSCIコクサイ指数への連動を目指したインデックス型のファンドですから、リターンがいいことが単純に良いとは言えません。しかし、少なくとも同じベンチマークを持つ投資信託と比較してリターンがいいのですから、運用報告書にあるベンチマークとの乖離の悪さを比較して「よくない」と判断するのは間違っていたことになります。すいません。

しかもこれがノーロードで買えるのですから、やはりステート・ストリート外国株式インデックスは、いい投資信託ではないでしょうか。とフォローさせてください。

では、なぜ下記のような矛盾が起こるのでしょう？
・ベンチマークと比べると、ほかの投資信託よりも下に乖離している
・単純にリターンを比べると、ほかの投資信託よりも良い

実はこの謎解きを、僕のブログにコメントをいただいたm@さんが、ご自身のブログ「Site.M from 新所沢」のエントリ「MSCIコクサイインデックス指数って実は色々ある？」で書いてくださいました。

m@さんの論旨を要約すると、
・運用報告書にあるベンチマークがそもそも投資信託ごとに値が異なっている
・理由は、ドルベースと円ベースの違い、そして、配当込み、配当抜きの違いではないか
ということです。本当のところは運用会社に個別に聞いてみないと分からないのですが、この調査と仮説は勉強になります。

こうやってブログで連携して話題を追っていくのは楽しいですね。

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