2005年07月26日
日本の株式指数は運用に適しているの?
国内株式を対象とした投資信託は、インデックス型よりもアクティブ運用されているものがいいのではないか、という意見を「スーパーサラリーマンの存在こそ、アクティブ運用が有利な証拠か」で書きました。今回もそのお話を別の側面から。
国内の株式指数で有名なのは、日経平均とTOPIXですよね。僕はこの2つの指数をベンチマークとしたインデックス運用は、ちょっとイマイチだなあと思っています。
日経平均はカバーしている会社が少ないんですね。東京証券取引所の一部上場企業は全部で1680社くらいあるそうなのですが、日経平均はその中から225銘柄を選んで計算している指数です。指数としてはまあそのくらいでもいいのかもしれませんが、運用までこの225社だけというのは、ちょっと偏っているのではないかな、と思うのです。
米国なんかだとS&P500とかいって500社をカバーしたインデックス型の投資信託が人気だっていうじゃないですか。日経平均だとその半分。ちょっと心もとない気がします。
じゃあ、東証一部全体をカバーする指数であるTOPIXならいいか、というと、以前のエントリで、TOPIXの運用を悪用した投資方法を証券会社が行っていると、山崎元氏が指摘している「インデックスファンドの受益者が損をする可能性」のエントリをあらためて紹介しておきたいと思います。こういう話を聞くと、TOPIXもイマイチに思えてしまうのです。
そういえば、TOPIXはたしかこれから「浮動株反映」という新しいシステムに変更されるそうです。新しいシステムだと、山崎氏が指摘しているような件は改善されるのでしょうか。ご存じの方がいらっしゃれば教えてください。
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Backy222 (2005/07/26 14:09:49)
いつも、楽しく拝見させていただいています。
楽天証券のホームページに、山崎 元氏の「浮動株指数化」について、下記にようなコメントがありました。 私自身、これを読んで、TOPIX運用の投信への投資を当面控えることとしました。
ご参考まで。
~~~~~~以下、山崎氏のコメント~~~~
かつて私は、日本株のリスクを取る無難な手段として、TOPIX型のETFをお勧めしていましたが、これからは「浮動株指数化」を控えており、これに伴ってインデックス運用の投資家が損をする可能性が大きく、お勧めできません。数銘柄に分散投資できるなら(上手にやればという条件付きですが)、個別株投資で十分です。
http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/PRNT_V_TOP_Yamazaki_01.html (3/18号)
かつてであれば、ETF(上場型投資信託)のようなインデックス投信は安い手数料で分散投資が出来る有力な投資対象でした。詳しくはまたご説明する機会があろうかと思いますが、TOPIX連動型も日経平均連動型も、銘柄(及びウェイトの)変更の度にファンドが損をする状態がパターン化しつつあって、現在はお勧めできません。
(4/13)
pon! (2005/07/26 23:41:16)
TOPIXの浮動株指数化については、コバンザメ投資で著名なJ_CoffeeさんのHPは参考になるかと思います。
http://members.at.infoseek.co.jp/J_Coffee/
浮動株指数化は世界では主流だと記憶していますので、的はずれの方向に進んでいないと思います。
山崎氏が指摘するところの浮動株指数化そのものの弊害の詳細はわかりませんが、私の認識では日本の実質的なインデックスファンドがTOPIX、日経225の2種類だけという弊害の方が大きいと考えます。
これを受けて、最近は年金系のファンドがTOPIX以外のインデックスを採用する動きもあり、TOPIX偏重、日経225偏重のファンド体系が改められる方向にすすんでいるようです。(というか、そう信じたいです)
数銘柄に分散投資できるなら・・・
というお話がありましたが、理論的には60銘柄ほどに分散しなければ、真の分散にならないと聞いたことがあります。
個人で60銘柄に分散させるなんてのは基本的に無理だろと突っ込んだことはありますが、出所を失念して提示できないのがつらいです。
ファンドの海管理人 (2005/07/27 1:09:10)
Becky222さん、pon!さん、コメントありがとうございます。山崎元さんの情報、ひじょうに参考になります。山崎氏は浮動株反映に対してもネガティブなんですね。
pon!さん、おっしゃるとおり、ほかのインデックスがもっと日本にあるといいですね。それがないのなら、銘柄を買ってずっと保有しているような、保守的な運用の国内ファンドがもっとたくさん、低手数料であってもいいじゃないか、と思いますよね。
アルビレオ (2005/07/27 2:00:18)
山崎氏の指摘は浮動株反映に対してネガティブなんじゃなくて、浮動株反映に「切り替わる」ことをネガティブファクターとして見ているんだと思います。
銘柄自体は変わらなくても配分を変える必要があるので、日経の銘柄入れ替えの時と同じような利食い取引でファンドにとっては余計なコストが発生することは間違いないでしょうから。
ファンドの海管理人 (2005/07/29 0:50:33)
アルビレオさん、コメントありがとうございます。なるほど、移行時には例によって利食い取引できますものね。
虱 (2005/08/01 18:04:33)
初めまして。
僕もインデックス投資最強!
と思っていたんですが、いろいろと難しいんですね。
このトピックだけでなく、「ファンドの海」の記事を通して読んでそう思いました。
やれやれ
ファンドの海管理人 (2005/08/08 1:12:33)
虱さん、私のブログが多少でもお役に立っているならうれしいです。国内株式の投資信託をどう選ぶかは、なかなか難しい問題ですよね。
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