2006年01月16日
「お金をふやす本当の常識」は新鮮な再発見がたくさん
山崎元氏は、以前からこのブログでその発言をたびたび取り上げてきている人の一人です。数少ない「本音でコメントする」専門家の一人だと思っています。彼の著書「お金をふやす本当の常識」が文庫本で出版されたというので、さっそく買って読んでみました。
「サブタイトルに「シンプルで正しい30のルール」とあるように、全体は30の章に分かれていて、
・ルール1:分からない運用商品には手を出さない!
・ルール2:初心者向けの金融商品など内!
といったルールを30個、それぞれ解説してくれます。どれも分かりやすく説明されていて、文庫の手頃な大きさと相まって読みやすい本です。
僕は気になったページの端を折りながら読み進めていきましたが、ずいぶんたくさんページの端を折りました。印象に残ったのは、「『自分という資産』も運用しているのだから、若いうちは稼ぐ能力を頑張って身に付けなさい」といったことに代表される、単に資産運用のテクニックを伝えるのではなく、人生におけるマネープラン全体に目配りした内容になっていることです。
「3銘柄選んで株を始めよう」といった具体的なテクニックももちろん教えてくれますが、株式投資とギャンブル依存症の関係や、生命保険にはできるだけ入るべきでないなど、長期にわたる資産運用に対してどのように取り組んでいくべきなのか、彼自身の持つ大きな主張に包まれた良書だと思います。
「長期投資でもリスクは減らない」「外貨投資は立派な“投機”である」「テクニカル分析は役に立たない」「あなたとプロの条件は五分五分」といった、ちょっと新鮮な驚きもところどころに用意されていて、知っているつもりのことでもあらたな再発見がありました。
巻末には、山崎氏本人が資産運用のために行った株の売買の記録が、売りと買いを間違ったところまでしっかり公開されていて、本人の正直なキャラクタをあらためてうかがい知れます。
んー、なんか今日はぎこちない文章ですが、ご勘弁を。
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お金をふやす本当の常識―シンプルで正しい30のルール [雨読夜話から]
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