2006年09月24日
おすすめ投資信託ベスト10(暫定版)
ある雑誌から「おすすめの投資信託を10コあげてください」と依頼があって、原稿を書いたのですが、大部分がボツになりました。もったいないのでここに掲載しようと思います。
その雑誌とは月刊誌「Big Tomorrow」。いま発売中の11月号の41ページに、ちょっとだけ僕の書いた文章が載ってます。(ちなみにノーギャラ :-)
以下に掲載するのはそのオリジナル原稿です。ベスト10といいながら、おすすめとして紹介しているのは7つ。そのうち1つは個人向け国債ですけどね。そして、3つはおすすめしない投資信託、ということで全部で10項目です。
投資信託は10年以上保有することで大きな利益を期待する金融商品だ。短期の投資を考えている人にはお勧めしない。選択のポイントは、販売手数料、運用手数料(信託報酬)が安いことが最優先。その中から実績のよいものを選ぶとよい。詳しい情報は証券会社のホームページなどを見て集めるとよいだろう。
おすすめの投資信託
1.さわかみファンド(さわかみ投信)
販売手数料は無料、運用手数用も安価で実績もよい。日本の株式を中心に投資している投資信託のなかでピカイチの存在。
2.トピックスオープン(カブドットコム)
東証平均株価指数に連動する投資信託。投資の専門家の調査では、実はこういうシンプルで手数料の安い商品が長期的に安定して実績が良いことが分かっている。
3.Jオープン(カブドットコム)
JASDAQなど新興企業を中心の投資信託は、銘柄を選んで投資する商品を選びたい。このジャンルは手数料の高い商品が多いなかで、良心的な商品の1つ。
4.ステートストリート外国株式インデックス (カブドットコム)
日本を除く海外の先進国22カ国の株式に投資してくれる。先進国の投資に優れているといわれるインデックス型投資信託の代表。
5.朝日Nvestグローバルバリュー株オープン(マネックス)
海外の先進国だけでなく、BRICsのような新興国も含めて投資してくれる。初心者にはBRICs専用の投資信託よりも、先進国とうまく組み合わせてくれるこちらをおすすめしたい。
6.MMF(どこの証券会社にもある)
いまの金利上昇局面では、1カ月以上普通預金に置いておくお金があるなら、証券会社のMMFに移したほうが金利に敏感で有利だ。証券会社のATMでいつでも出し入れできる。
7.個人向け国債(銀行、郵便局、証券会社)
投資信託は元本割れのリスクがある。元本保証がある商品のなかで選ぶなら、(投資信託ではないけれども)10年ものの個人向け国債は金利上昇に強く、途中解約も可能な、国内最強の金融商品だ。5年ものは条件が悪いのでおすすめしない。
上手な投資信託の買い方は、国内株式に投資する1と2のどちらかと、海外株式に投資する3と4のどちらかを、7対3から5対5くらいの割合で両方購入するとリスクを世界中に分散できる。そして、ネット企業などの国内新興企業への期待に合わせて、少なめの割合で3を購入するとよいだろう。
買ってはいけない投資信託
1.毎月分配型の投資信託
グローバルソブリンに代表される毎月分配型の投資信託は、長期投資には明らかに不利な仕組みで、長期的にお金を増やしたい人のための商品ではない。しかも各種手数料も高い。
2.郵便局で販売されている投資信託
証券会社をさがせば、似たような商品やもっと優れた商品を、もっと安い手数料で買えるため、郵便局で投資信託を買う理由はない。前述した商品はその例だ。
3.銀行で定期預金とセット販売の投資信託
投資信託の手数料の高さを、キャンペーンによる定期預金の利率の良さでごまかそうというのがセット販売の目的だ。当然、セットになるのは手数料の高い投資信託であり、避けるべきである。
書くときに意識したのは、できるだけ国内、国外、株式、債券と幅広く選ぼうと思ったこと。そのために上記のようなラインナップになりました。ただ、こんな風にベスト10を考えたことはなかったので、ちゃちゃっと調べて書いたこともあって、ひとまず暫定版にしようと思います。
もちろん、このラインナップは私個人の意見なので、異論がおありの方もいると思います。いろいろ議論しながらいい投資信託を選べればいいなと。とはいえ、そんなに悪くないラインナップだと思うんですよね。
[関連エントリ]
・ 良心的な投資信託を選ぶ10の方法(2007年版)
・ 投資信託を調べる10のサイト(2007年版)
・ 僕が投資信託を好きな10の理由(2007年版)
・ 日本の投信業界はなぜダメか
・ 手数料を取られる分、何か有利なことがあるのだろうか。ほとんどない
[関連カテゴリ]
・ A.個人向け国債は買いか?
・ 4.海外株式の投資信託
・ 3.国内株式の投資信託
・ 2.どの投資信託がおすすめ?
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投資信託を趣味にしているビジネスマン、イーノ・ジュンイチです。いつもご愛読ありがとうございます!




こんにちは。
適切な選択のように思います。
(おすすめ)の中に外国債券のファンドがあれば、と思います。とはいえ、マトモな商品がほとんど無さそうですが。
こんにちは。いつも参考にさせて頂いています。
さて、一つお聞きしたいのですが、今後「Jオープン」か「インベスコ 店頭・成長株オープン」どちらかをドルコスト平均法にて購入しようかと考えています。コスト面で、「インベスコ 店頭・成長株オープン」は「Jオープン」に比べると、販売手数料がかかってしまいますが、信託報酬が安い訳ですが、ファンドの海さんは、このふたつのファンドを比べた場合、どのようにお考えでしょうか?
参考までに、是非ご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願い致します。
こばさん、コメントどうもです。インベスコ 店頭・成長株オープン、調べてみました。たしかに、Jオープンよりも信託報酬が安いので、長期で持つにJオープンより有利ですね。実績もざっと見てみましたが、全然問題なさそうですし、十分おすすめですね。
実はJオープンをおすすめにしたのは、僕が自分で保有しているからなのでした。なので、あんまりほかに目配りしてなかったのです。情報ありがとうございます。
rennyさん、こんばんは。
外国債券のファンド、ときどき思い出したように探してみるのですが、いいのないですよね。もしあったら教えてください。
SGターゲット・ジャパン・ファンドはどうですか?
相場低迷期に強い資産バリュー投資系のファンドです。バリュー投資家の間では評価されています。
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=58311008&d=c&k=c3&c=998405.t&p=m130,m260,s&t=5y&l=on&z=m&q=l
はじめまして。
お勧めファンドですが、TOPIX連動についてはインデックスファンドTSP(信託報酬0.5544%)という選択はいかがでしょうか。現在はマネックス証券ならばノーロードです。(とはいえ実は私もTSPではなくトピックスオープンを買っているのですが...)
あおやぎさん、はじめまして。インデックスファンドTSP、TOPIXに連動するファンドですよね。販売手数料がゼロのところで買えばよさそうですね。
郵政公社の投資信託が売れている理由は、中小都市の家電屋さんが、秋葉原よりも高い値段で売っても売れるのと同じ理由。
すなわち、(1)大都会やネットにアクセス出来ない人がいること、(2)身近なところにある店舗に親しみや安心を感じる人がいること、
良くも悪くもこれですね。
はじめまして
おすすめ投資信託の記事興味深く拝見しました。
そのうち、さわかみ・Jオープン・ステートについては私自身の組入れ銘柄であり、安心しました。
トピックス型のインデックスについてはETFを利用しています。
投資家の視点で設計された投信って少ないですよね。毎月分配とか3.15%の購入手数料とか2%を越える信託報酬とか・・・
こういう良心的な商品たちにはがんばってほしいものです。
寺さん、はじめまして。ETFも活用されているんですね、さすがです。それにしてもおっしゃるように良心的な商品にはぜひがんばってほしいです...
横から失礼します。「週刊ダイヤモンド」で「投信の罠」を出したダイヤモンド社より、「投資信託にだまされるな!」(竹川美奈子氏、1575円、ISBN-10: 4478000247)という新本が出ています。立ち読みした限り、結構いい事が書いてあるように見えました。
興味深く拝見しました。
海外株式のインデックスファンドについては、下記のものはいかがでしょうか?
●PRU海外株式マーケット・パフォーマー(運用会社:プルデンシャル、販売会社:投信スーパーセンター)
https://toshin-sc.nikko.co.jp/FundOrderConfirmation/0/tsnodr/kai_odr/odr_memoguest?naigai=0&syohn=03&syohinType=K&baibai=3&meigCd=0037710000
ステートストリートも良いですが、信託財産留保額が0.2%、信託報酬も年率0.84%(税込)と良心的です。
国内株式については、下記のものもおすすめです。
DKA株式オープン
(販売会社:マネックス証券)
http://www.dka.co.jp/dkaWeb/fund/fundInfo.do?fundId=370000
ノーロード、低い信託報酬、信託財産留保額なし、積み立て可(マネックス証券の場合)と好条件だと思います。
運用期間が30年と長く、長期での投資を考えたい場合には、選択肢の一つだと思います。
こんにちは。
いつも拝見させていただき、とても勉強になっております。
題記掲載より1年半経過しているので、第2回目と称して、改めてベスト10の選定を掲示していただければと存じます。
勝手なことを申して恐縮ですが、ご検討いただければ幸甚です。
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