2007年02月13日

信託報酬が販売会社のキックバックになっている現実

投資信託の信託報酬と言えば、その投資信託の運用会社が得る報酬、と思いますよね。でも信託報酬が販売会社のキックバックとして使われている投資信託があるのです。

日本で最も売れている投資信託「グローバル・ソブリン・オープン」。総資産額が5兆円を超えています。

このグロソブの信託報酬は1.3125%です。5兆円超の資産の約1.3%=約650億円が信託報酬として運用元である国際投信投資顧問株式会社に入るのだとしたら、それはもうウハウハですよ。同社の社員数は約250名。ほかの売り上げが一切なかったとしても、一人あたりの年間売り上げは2億6000万円。社員全員が年収1億円でも問題なしですよ。

ところが、実際にはそうではないんですね。グロソブの信託報酬の約1.3%のうち、最大だと1%弱が販売会社に渡るのです。グロソブの目論見書から、信託報酬の部分を抜粋します。

グロソブの目論見書(抜粋)

委託会社は、運用をしている「国際投信投資顧問株式会社」
販売会社は、グロソブを販売している証券会社や銀行などです。
受託会社は、信託財産の管理をしている「りそな信託銀行株式会社」

これを見ると、各販売会社がグロソブを売ると、信託報酬の一部がどんどん入ってくるようになっています。

そう、販売会社は、グロソブを売るたびに運用会社からキックバックをもらってるんです。いや、運用会社からじゃなく、堂々と僕たち受益者の財布から持って行くんですよ。だから販売会社は熱心にグロソブを売るのです。こうした信託報酬の一部を販売会社が受け取ることは、グロソブに限らずほかの投資信託でもよく見られることです。とにかく、販売会社が熱心にグロソブを売る理由が分かりますよね。

店頭で「この投資信託どうですか?」と勧められたら、なぜその投資信託を店員があなたに勧めたのか、その理由は「これを売るとキックバックが入るから」かもしれませんよ。目論見書をもらって、信託報酬のうち販売会社の取り分がいくらなのか、確認するといいかもしれません。

ところで、例えば「さわかみファンド」は総資産額が増えると信託報酬率が下がる仕組みになっていて、売れれば売れるほど信託報酬率が下がって受益者の利益になる、と聞きました。僕たちはそういう良心的な投資信託を選びたいですよね。

[関連エントリ]
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[関連カテゴリ]
7.販売手数料と信託報酬

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投資先はいろいろとある。 [新社会人、投資に挑戦する。から]

水瀬 ケンイチ (2007/02/13 23:48:15)

さすがのグロソブも資金流出が加速しているらしいですね。
投資家が賢くなってきたのか、それとも、単に毎月分配投信の選択肢が広がってきたということか…?(^^;
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2C0501P%2005022007&g=E3&d=20070206

m@ (2007/02/14 0:34:25)

総資産額が増えると信託報酬が下がるのはありがとうファンドですね。
さわかみファンドの信託報酬は変わりません。
総資産額が増えると販売会社への配分が増えるのと言えば先日設定されたマネックス資産設計ファンドもそうですね。

ファンドの海管理人 (2007/02/14 1:12:47)

水瀬さんこんにちは。どうやらそうらしいですね。
なんだか僕には、たんにグロソブから目先で有利そうな別の商品(BRICs向け投信とか)に乗り換えてるだけなんじゃないか、なんて思えて、野暮な心配をしてしまいます。

ファンドの海管理人 (2007/02/14 10:48:16)

m@さん、ご指摘ありがとうございます。あとで直しておきますね。

山本 (2007/03/04 9:46:01)

信託報酬から、販売会社の取り分がないとすると、誰がリスクのある商品をお客さんに薦めるのでしょうか。販売手数料をとらない証券会社もありますし。
ごく、当然のことです。

  (2008/04/04 13:36:35)

このブログの筆者は知ってか知らずか、ピントがずれてます。

何も知らないひとが読むと勘違いしそうな内容ですが、山本さんのコメントどおり、販売会社が運用会社から手数料をもらうのは当たり前のことです。
⇒事務代行費用。

ただ、その率の多寡に留意すべき。
これが要諦。

販売手数料の位置付けも信報とは違うので、明確に分けて考えるべき。



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