2007年06月14日

日本の投信業界はなぜダメか

週刊ダイヤモンドが2007年6月16日号で「まるごと一冊 投信・預金・保険 金融商品の罠」という大特集を仕掛けています。この中でも圧巻だったのは、表題をタイトルにした山崎元氏のコラムです。

山崎アニキの指摘は、ずばり3点。以下、コラムの抜粋を書きます。

その1:多分配型の大問題 毎月分配型を典型とする、多分配型の投資信託には、合理的なニーズがあると考えるのか? 単に、販売現場で売りやすいだけではないか。また、売れるからと言って多分配型を続々と商品化する投信会社の運用には見識というものがあるのか?

その2:手数料の大問題
同じ会社が運用するプロダクトでも、確定拠出年金向けの運用手数料は、投信の信託報酬よりもずっと安い。投信が「暴利」だといえるのではないか。現在の信託報酬水準は高いとは思わないのか?

その3:投信会社経営の大問題
投信会社が販売会社に弱いことが、日本の投信の商品や運用に悪影響を及ぼしており、これは投信会社が独自の販路を持っていないことに多くを追っていると思う。日本の投信会社の「販路」のあるべき姿について、どのように考えるか?

そして週刊ダイヤモンド編集部は、この質問に対する回答を、投資信託協会会長である樋口三千人・大和証券投資信託委託社長に、広報部・事務局を通じて依頼したとのこと。締め切り日までには回答を得られなかったそうです。

山崎氏のコラムのような投資信託業界の問題について、ここまでズバリと切り込んだ記事を僕はみたことがありません。これまで、「あの商品の手数料は高い」といった商品に対する指摘、「あの銀行のキャンペーンには惑わされるな」といった金融機関への指摘、もしくは「どうして日本の投資信託はこんなに手数料が高いの?」といった、特定の問題に対する指摘、というのはありました。

しかし、業界の問題を総括的に指摘した記事というのはめったにありません。

もちろん、この主張はある日突然、山崎氏が言い出したわけではなく、以前から山崎氏の発言をウォッチしている僕は、個々の指摘についてはどれも聞いたことがあるものでした。

それを一括して、かつ「週刊ダイヤモンド」というメジャーな雑誌で展開し、しかも投資信託協会会長へ質問するという切り込み方は、正直胸のすく思いです。

僕も、投資信託という商品が好きゆえに、いろんな苦言をこのブログで連ねて、少しでもいい商品が増えて、投資信託のファンが増えて、みんなハッピーになればいいなあと思っています。そういう気持ちと重なる記事が、こうしてインパクト十分で登場するのはとても力づけられます。

願わくば、これが効果を発揮してよりよい業界と商品への動きが促進されますように。

追記1(2007/6/15)
山崎アニキ本人がご自身のブログで、今回の原稿が掲載され、また投資信託協会会長への質問が掲載されなかった経緯について詳しく書かれています。ぜひ併せてご参照ください。要は投資信託協会会長の樋口三千人が“逃げた”かっこうのようです。

追記2(2007/6/15)
なぜ僕が山崎元氏を“山崎アニキ”と呼ぶのかは、このエントリをご参照ください


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