2007年06月13日
投資信託の注文を間違う三菱東京UFJ。その問題は根深い
今日の新聞の大きな見出しになったのが、三菱東京UFJに対する金融庁の行政処分。新聞は「投信窓販など不適切処理」と伝えていますが、単に注文を間違えただけではない、根深い問題が改善命令を受ける理由になったようです。
まずは、報道された内容をざっと見てみます。
三菱UFJ銀に業務改善命令へ 投信窓販で不適切対応金融庁は8日、三菱東京UFJ銀行が投資信託の窓口販売をめぐり、顧客の注文と異なる商品を販売するなど不適切な対応を行っていたとして、来週前半にも業務改善命令を出す方針を固めた。
「顧客の注文と異なる商品を販売するなど不適切な対応」が処分の理由のように読めます。読売新聞によると、「投信販売では過去3年間に99件の問題取引が発覚した」そうです。平均で毎月3件ちかいのトラブルがあったんですね。
ところが、金融庁の報道発表資料を見てみると、実は「たくさんの注文を間違えたから処分」といった単純な理由ではなく、もっと根が深いことが分かります。報道発表資料から。
顧客に対する誠実公正義務の趣旨に反する取扱い、内部管理態勢等における重大な問題が以下のとおり認められること。(1)発注失念や誤発注等、当行の過失に基づいて事務処理ミスを発生させ、顧客に損失が生じる状態となったにも関わらず、
① 顧客に対し、「訂正処理を行い原状回復し損失補填することが可能である」旨の説明を行わないまま謝罪を繰り返し、取引の追認を求め、追認をもって解決済みとしている事例、
② 原状回復、損失補填に係る説明不十分のまま追認を得ることでもって解決とした後、顧客からの苦情申出により結果的に原状回復、損失補填を行っている事例、等の不適切かつ公平性に欠ける対応が、特に旧東京三菱銀行の営業店において、三菱東京UFJ 銀行(以下、「新銀行」という。)の発足前後を通じ多数認められること。金融庁 株式会社 三菱東京UFJ銀行に対する行政処分について(別紙2)
(太字はファンドの海管理人)
つまり、処分の理由は、
・注文処理をミスして客に損させたのに「ごめんなさい」だけで済ませようとした
・しかも文句を言ってきた客にだけ損失補填したため公平性を欠いた
・こうした問題が起きてるのは、旧東京三菱の店舗でばっかり。変じゃない?
ということで、単に注文の処理を間違えただけでなく、そのあとの対応がとてもズサンだったために処分した、ということですね。
ここから得られる教訓は、
・金融機関を信用せず、注文したらちゃんと結果を確認をする
・もし金融機関のミスで損をしたら損失補填を申し出る
ということでしょう。
長期投資ではよく、「投資したらあとはほったらかし」でいい、といわれます。しかし、やっぱり「ちゃんと注文は処理されただろうか」と、注文ごとにこまめに自分で確認することは最低限必要なんですよね。
三菱東京UFJ銀行は、国内で最も大きくて強力な銀行だと言われています。しかし、行政処分の内容に従わなければ銀行免許の剥奪もありえるわけです。僕たちもしばらく厳しい目で見ていく必要があると思います。
[関連エントリ]
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考えられへん!! 三菱東京UFJ銀行 [rennyの備忘録から]
不祥事後もしぶとく続ける三菱UFJの投信キャンペーン [ホンネの資産運用セミナーから]
(ファンドの誤発注に関して)三菱東京UFJ銀行 を批難します [カン・チュンドの 投資のゴマはこう開け!から]
斉藤 (2007/06/14 22:31:34)
突然の書込み失礼致します。
はじめての投資信託を運営している斉藤と申します。
本日は、相互リンクのお願いを致したく思い
メールさせていただきました。
貴ブログへのリンクは既にトップページ中央に設置されている
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カン・チュンド (2007/06/15 19:53:37)
こんにちは。
三菱東京UFJ銀行の「いいかげんさ」には
ほとほと呆れてしまいます。
> ・こうした問題が起きてるのは、
旧東京三菱の店舗でばっかり。変じゃない?
はい、確かにヘンです。
6月12日の日経新聞に、
日経新聞編集委員の前田昌孝氏が
コラムを載せています。
以下引用)
旧三菱銀行はバブル期にも生命保険会社と組んで高齢の顧客に融資とセットで変額保険を売り込み、多くの訴訟案件を抱えた。
引用終わり)
いやはや、体質というものは、
澱のように人間の奥深くまで入り込み、
住み着いてしまうものなのでしょうか。
資産運用アドバイザーとして、
また一投資家として、
三菱東京UFJ銀行を批難します。
ファンドの海管理人 (2007/06/17 23:15:59)
カンさん、こんにちは。ごぶさたです。
旧三菱銀行は以前から問題を抱えていたんですね。大きな組織というのは、変わるのにも時間がかかるのでしょうか。国内トップの銀行がこんな状態というのは、実に恥ずかしいことですね...。
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