2007年09月25日

フィデリティの「FWF エマージング・マーケット・ファンド」を重点調査

新興国を対象とした投資信託を買おうと思って調査をしてきましたが、その中で唯一、フィデリティの「FWF エマージング・マーケット・ファンド」だけは外国籍の投資信託だったため、詳しい情報を得ることができませんでした。

国内の投資信託であれば、先日のエントリ「投資信託を調べる10のサイト(2007年版)」であげたようなサイト、例えばモーニングスターなどで詳細を知ることができます。ところが、フィデリティのFWFシリーズやシティバンクが扱っているような外国籍の投資信託は、そもそもそうしたサイトにはまったく情報が掲載されていないのです。

唯一の情報源は、その外国籍の投資信託を扱っている金融機関のWebサイトを見て、不明なところは問い合わせるしかないわけです。

というわけで「FWF エマージング・マーケット・ファンド」を詳しく調べるため、フィデリティのWebサイトへ行き、各種資料を読み、さらにフィデリティにも問い合わせてみたりしました。その結果、分かったことをここにまとめておきます。

FWF エマージング・マーケット・ファンド
販売手数料 : 無料
設定日 2002年9月19日

この投資信託は、海外の投資信託をほぼそのまま日本で販売しているわけですが、そのマスターファンドに該当するのが、英国フィデリティの「Emerging Markets Fund」です(米国フィデリティにも同名のファンドがありますが、それではない)。

信託報酬や管理報酬はマスターファンドと同額で1.50%。これ以外にその他費用として保管報酬などのコストが0.48%(昨年実績)かかっているとのことで、合計で1.98%がコストとしてかかるようです。

そして、この投資信託はアクティブ型の投資信託であるため、運用方針がどうなっているのかについても調べておきましょう。

まずは運用レポートを見てみると、次のように書いてあります。

主として東南アジア、ラテン・アメリカ、東欧(ロシアを含む)、中東、アフリカなどのエマージング・マーケット(新興国市場)の株式に投資し、長期的な運用成果を追求します。個別銘柄選択はフィデリティのアナリストによる調査結果を活用して「ボトム・アップ・アプローチ」を重視します。
(FWF エマージング・マーケット・ファンド 2007年7月の運用レポートより)

んんん、ちょっとあっさりしすぎてますね。ほかに日本語で書かれた詳しい運用方針を見つけることができなかったので、こんどはマスターファンドの年間レポート「Fund Annual Report & Accounts」を見てみましょう。そこには、運用方針についてこう書いてあります。


The manager does not have a bias towards any particular type of stock, such asvalue or growth. Positions will be reduced or sold when the stock reaches either the manager’s or the analyst’s valuation target.
The manager looks to increase exposure to current holdings if their share price weakens and the investment thesis remains unchanged.

抄訳:ファンドマネージャは、バリュー株もグロース株も対象とします。ある企業の株価が目標価格に達すると、その株を売却し、逆に株価が下がった場合は買い増します。

In selecting companies, the manager uses a traditional stock picking approach, focusing on individual security selection on a sector-by-sector basis. This allows the manager to look at the merits of a stock within the entire investment universe.

抄訳:株の選出は伝統的な方法で行っています。つまり、業種ごとに個別企業を選別するのです。これを投資対象全体に行っていきます。

Top-down country analysis is used to help establish the relative outlook for different countries and determine security selection. However, the manager does not set specific country weights.

抄訳:国別の分析は株の選出を決定するのに参考にします。しかしファンドマネージャは国別の比率は決定しません。

The fund manager takes advantage of the research capabilities of Fidelity’s global emerging markets team. This group combines equity and fixed-income research efforts, as well as those of both regional and sector-based analysts.

抄訳:ファンドマネージャは、フィデリティのグローバル・エマージング・マーケットチームの支援を受けられます。このチームは株価分析と、地域ごとの業種分析の両方を行っています。

(抄訳はファンドの海管理人による)

そして、ベンチマークはMSCIエマージング・マーケット・インデックス。このベンチマークに対してどうなのか、運用レポートから運用実績を見てみましょう。

Emerging_graph

上記の運用方針だけを見ると、ベンチマークとは関係なく運用しているような気がするのですが、結果的に、ベンチマークと大きく乖離していません。これを見ると、ベンチマークも意識して運用しているように見えますね。

次回は、新興国を対象にした投資信託の中で、自分にとってどれがいいのか。1つの結論をだすつもりです。

[関連カテゴリ]
4.海外株式の投資信託

[広告]

[ブックマーク]  Yahoo!ブックマークに登録

≫次 : 新興国を対象とした投資信託、僕が決めたベストワンはこれだ!
≪前 : 新興国を対象とした投資信託、消去法で残ったのは?



[トラックバックURL]