2007年09月29日
新興国を対象とした投資信託、僕が決めたベストワンはこれだ!
国内で販売している新興国を対象にした投資信託の13本をリストアップして、どれが安くていいのか、絞り込んできました。今回、そのなかからどれを購入するのがいいのか、ベストワンを決定したいと思います。
前回のエントリ「新興国を対象とした投資信託、消去法で残ったのは?」で、消去法により残った投資信託は、次の3本。いずれもアクティブ型の投資信託です。
JPMエマージング株式ファンド
(DFC FUND GUIDEによる情報)
信託報酬率 : 1.995%
買付手数料 : 3.675%
販売 : 楽天証券, 日興コーディアル証券、京都銀行, 三菱UFJ信託銀行
(モーニングスターによる情報)
ファミリーファンド方式で運用
設定日 2006-07-28
信託報酬及び監査報酬(税込) 2.01 %
シュローダー エマージング株式F(1年決算型)
(DFC FUND GUIDEによる情報)
信託報酬率 : 1.974%
買付手数料 : 3.15%
販売 : オリックス証券, アルプス証券, 日興コーディアル証券, フィデリティ証券、イーバンク銀行, 大垣共立銀行, 関西アーバン銀行
(モーニングスターによる情報)
ファミリーファンド方式で運用
設定日 2007-04-27
信託報酬及び監査報酬(税込) 2.02 %
FWF エマージング・マーケット・ファンド
(フィデリティ・ダイレクトによる情報)
信託報酬率ほか:1.98%
買付手数料 : 無料
販売:フィデリティ証券
設定日 2002年9月19日
(詳細は「フィデリティの「FWF エマージング・マーケット・ファンド」を重点調査」のエントリ参照)
比較する内容は、以前のエントリ「良心的な投資信託を選ぶ10の方法(2007年版)」を基に、信託報酬、販売(買付)手数料、償還時期、分配回数、再投資可能か、積み立て可能か、運用実績が3年以上か?、純資産が30億円以上か?、といったことを見ていきましょう。
信託報酬:
信託報酬率は3つとも2%前後でほとんど横並び。優劣はとくにないと考えます。
販売手数料:
FWF エマージング・マーケット・ファンドが無料。シュローダー エマージング株式Fも1.0%程度でお値打ち。JPMエマージング株式ファンドは3%以上で高めです。
シュローダー エマージング株式Fについて付け加えると、フィデリティ証券の積み立て方式である「ステップ・BUY・ステップ」で購入するとしたら、毎月10万円以上で無料になります。1万円以上で1.05%、5万円以上で0.525%です。
償還時期、分配回数:
上記3つの投資信託についてはいすれも無期限で分配は年一回です。
再投資可能か?、積み立て可能か?
シュローダー エマージング株式FとFWF エマージング・マーケット・ファンドは、フィデリティ証券で積み立ても再投資も可能なコースがあります。JPMエマージング株式ファンドについては、取り扱っている証券会社のWebサイトを調べましたが、積み立てや再投資可能なコースが見当たりませんでした。
運用実績が3年以上か?
FWF エマージング・マーケット・ファンドは3年以上経っていますが、ほかの2本は2006年、2007年と、まだ運用が始まったばかりです。
純資産が30億円以上か?
JPMエマージング株式ファンドは11億8600万円。
シュローダー エマージング株式Fは、22億4200万円。
FWF エマージング・マーケット・ファンドは、国内の純資産は約8億6000万円ですが、マスターファンドの純資産が約1275億円(運用レポートによる)ですので、運用上は問題ないと思われます。ただ、FWFシリーズはかつて人気のない投資信託を償還してしまったことがあるので、国内の資産が小ささはやや心配です。
ここまでの結論
こうしてみると、結果は明らかです。すべての項目をクリアしたのはFWF エマージング・マーケット・ファンドでした。
ところで、このFWF エマージング・マーケット・ファンドはアクティブファンドなので運用方針や実績についても触れておかなければなりません。前回のエントリ「フィデリティの「FWF エマージング・マーケット・ファンド」を重点調査」で、運用方針と実績をグラフでみることができます。
本当はインデックスと連動することを運用方針としてくれるのがいいのですが(つまりインデックスファンドが買いたい)、過去の実績を見ると、かなりインデックスを意識して連動した実績になっています。まあまあ許容範囲と考えます。
この投資信託で僕が考える最大の欠点は、情報が少ない、という点です。外国籍の投資信託なので、モーニングスターなどの評価情報がないのです。英国で運用しているマスターファンドの情報は英国モーニングスター見られますので、まったくないわけではないですが、やはり国内の投資信託に比べるとハンディですね。
というわけで結論:
新興国を対象とした投資信託、僕が決めたベストワンは「フィデリティの「FWF エマージング・マーケット・ファンド」」です。
では、さっそく購入を……とその前に、楽天証券やイートレードで販売している新興国を対象とした海外ETF「iShares MSCI EMERGING MKT」についても調べてたいと思います。
[関連エントリ]
・ 新興国向けの投資はBRICs? VISTA? それとも?
・ エマージング市場へ投資する投資信託を探そう!
・ 新興国を対象とした投資信託をリストアップしてみた
・ 新興国を対象とした投資信託、消去法で残ったのは?
・ フィデリティの「FWF エマージング・マーケット・ファンド」を重点調査
[関連カテゴリ]
・ 4.海外株式の投資信託
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はじめまして、いつも更新を楽しみにしているものです。
わたしは元々フィデリティーのファンでしたので、このFWFが気になっていましたが、
同様にFWFの各ファンドの中身の情報が入手しづらいことが理由で躊躇していました。
だが海さんの選択基準にはわたしも普段から深く同感していましたので、今回
再度このFWFを調べてみることにしました。
フィデリティーUKのサイトに飛ぶと確かに掲載されていましたEmarging Markets
Funds A Incのまず右横のトータルリターンの欄を見ると、3Y%には175.2。
5Y%には275.6と記載があり、日本のサイトからDLした最新の運営リポートに
載っている数字とは、かなり大きな開きがあるのにとても驚きました…。
このファンドはポンドではなく、ここに書いてあるようにUSDでこの数字を
算出しており、日本のサイトの運営リポートはそれを円建てに換算し直した
リターンの数字であることは、フィデリティー社に問い合わせて分かったこと
ですが、為替に拠ってこれほどの大きな開きが生まれるものなのでしょうか…?
もしこれが本当ならば円安時はこうして大きな収益になっても、逆の場合を
考えるとかなり考えてしまいます。
次にこのEmarging Markets Funds A Incをクリックするとポップアップ
される、モーニングスターの情報の中のトータルリターンを見ました。
すると今度はその最上段に、どう考えても上記の3Y%ー175.2%、
5Y%-275.6%とは、似ても似つかない数字が並んでいますねえ〜。
コレっていったい何なのでしょうか…?? この数字のあまりに大きな差は
いったいどこから生まれるのでしょうか、まったく不思議でなりません…。
トータルリターンの記載に限ったことですが、日本の運用レポート、
フィデリティーUKのEmarging Markets Funds A Incの右横の数字、
それにモーニングスターの中のトータルリターンの数字をこうして比較すると、
3つ共まったく別物のファンドのような気がしてならないのは、私だけなのか(汗)?
英国のモーニングスターの中のグラフは線グラフではないので、この比較も
また難しいところです。
海さんはきっとわたしより数倍の時間を掛けて検討なさっていると思いますので、
この不思議な疑問をどのように思われるのか、そこが知りたくて書き込み致しました。
もしよろしければどのようにこの点を解釈されているのかをお聞かせ下さい。
どうかよろしくお願いします。
ファンさん、コメントありがとうございます。調べたときに、それぞれのトータルリターンやグラフまでは細かくみませんでした。こんど時間があるときに調べてみますね。お知らせありがとうございます。参考になります(ブログのネタにも)。
モーニングスターのトータルリターンは年率換算した数字です。
フィデリティUKの方は単純に5年前、3年前との比で表しているのでしょう。
とはいっても5倍すれば数字が合うわけでもないので、他にも理由があるんでしょうけど。
はじめまして、このサイトを応援している者の1人です。
さて、私もフィデリティ証券に口座を持っていて、エマージング株式投信の積立をやろうかと考え中で、シュローダーエマージング株式ファンドがフィデリティにあるので、これにしようと思っていたところ、管理人さんはFWFエマージング・マーケット・ファンドを選択されました。
そこで質問があります。
FWFエマージング・マーケット・ファンドの基準価格等の情報を入手するには、フィデリティ証券の月次運用レポート以外方法がないのでしょうか?(日本語に限ります・・・)
ご教授願います。
無精者さん、こんにちは。応援ありがとうございます! さて、FWFエマージング・マーケット・ファンドの基準価格なのですが、フィデリティのホームページのファンド一覧では見ることができますね。リアルタイムに分かるのはここぐらいだと思います、たぶん。
さて、シュローダーもきっと悪くない投資信託なのだと思うのですが、今年の春に設立されたばかりなので選択肢からはずしました。FWFは情報開示の面で不便なので、シュローダーが順調に運用されれば、3年後には違う結果になっていると思います。
もうご存じかもしれませんが、新興国株式、新興国債券のインデックスファンドが設定されるらしいです。
私も他の方のブログで知りました。
今はアクティブファンドを利用していますが、新興国株式や新興国債券のインデックスファンドが
軌道に乗ってきてたらシフトしたいと考えてます。
rennyの備忘録 | Big Newsの予感
http://renny.jugem.jp/?eid=535
梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記) | ついにエマージング市場のインデックスファンドが登場?
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-685.html
-資産運用-消費者に良い投資信託を買おう 新興国に連動するインデックスファンドが登場か?
http://assets.blog54.fc2.com/blog-entry-103.html
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