2008年06月26日

続々々、僕がETF(上場投資信託)に熱くなれない理由~国内ETF vs 投資信託

海外ETFと、国内の投資信託での信託報酬を比較してみると、たしかにETFのほうが安いけれど、それほど大きな差があるわけではありませんでした。では、国内のETFと投資信託の比較ではどうでしょうか?

さっそく、東京証券取引所に上場されている国内のETFと、似たような一般的な投資信託を比較してみることにしましょう。国内のETFとして主に、TOPIXに連動するものと、日経平均に連動するものを挙げてみます。

TOPIXに連動するETFは3つ。「日興上場インデックスファンドTOPIX」は信託報酬が0.0924%、野村アセットマネジメントの「TOPIX連動型上場投資信託」は0.1155%、「ダイワ上場投信トピックス」も0.1155%です。

ざっと、TOPIX連動のETFの信託報酬は0.1%程度とまとめておきましょう。

日経平均に連動するETFは2つ。「iシェアーズ日経225」は信託報酬が0.315%、日興アセットマネジメントの「上場インデックスファンド」は0.23625%です。

日経平均に連動するETFの信託報酬は、0.25%~0.3%とまとめておきます。

では、一般の投資信託の信託報酬をみていきましょう。安めのものを選んで見ました。

まずはTOPIXに連動する投資信託。確定拠出年金専用の投資信託を2つあげてみました。これらの信託報酬はおおむね0.2%弱。ETFよりもやや高め、といえます。

TOPIXに連動する投資信託(確定拠出年金専用)
野村DC国内株式インデックスファンド=0.1995%
年金ダイワ日本株式インデックス=0.1785%

一般に販売されている投資信託では、さらに信託報酬が上昇しています。0.6%強、というところですね。

TOPIXに連動する投資信託(一般)
(野村)トピックスインデックスオープン=0.651%
(大和)トピックス・インデックスオープン= 0.62%

日経平均に連動する投資信託ではどうでしょう。このタイプの投資信託で確定拠出年金専用の投資信託はありませんでした。一般に販売されている投資信託を2つあげておきます。

日経平均に連動する投資信託(一般)
(野村)株式インデックス225=0.651%
大和ストックインデックス225ファンド=0.546%

こちらも0.6%前後、ということで、やはりETFよりもずいぶん高めになっていますね。

まとめてみましょう。国内のETFと一般の投資信託では、一般に販売されている投資信託のほうがおおむね0.5%ほど信託報酬が高いようです。10年で5%ほどのコストの差が生まれます。これは100万円を投資したとして、10年後に約5万円程度のコスト差がつく、ということです。

さて、こうした差を認識した上で、やや手間のかかるETFに投資するか、それとも手間をはぶける投資信託に投資するか、をそれぞれの立場で考えて、適切な選択を行えばいいと思います。僕は、といえば、僕はやっぱりラクチンな投資信託のほうがいいよなあ、とやはり思ってしまいます。

しかも、もし確定拠出専用の投資信託が一般にも販売されれば、その差は0.1%に縮まります。10年でも1%、100万円投資したとしても1万円の差ですから、やはりここは投資信託業界にがんばってもらいたい、とてもとてもそう思うわけです。

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みきぱぱ (2008/06/28 16:38:16)

こんにちは、おひさしぶりです。ちょっと気になったので・・・

>「日興上場インデックスファンドTOPIX」は信託報酬が0.924%
→0.0924%

ETFは多くの販社でノーロード、日経平均に連動する投資信託の買い付け手数料は2%という差があることも考慮すべきでないでしょうか?

ファンドの海管理人 (2008/06/28 22:40:42)

みきぱぱさん、ご指摘ありがとうございます。1ケタ違って大違いでしたね。
販売手数料もたしかに違うのですが、そこまで比べるとややこしくなりそうだったので、今回は運用手数料だけにしました。それに最近はノーロードで買える投信も増えてますしね。

silencejoker (2008/07/13 11:00:37)

なんか、日本だけルールでしょうかね。ま、、アマリ投信が売れなくなるのを恐れて、管理用手数料を設定しているような記がしますね~。

sagehoudai (2008/11/22 5:22:38)

国内上場のETFは分配金が円で再投資に組み込み易いので利用価値は高い。投資単位もかなり小口化できてる。
とはいえ品揃えがまだまだ貧弱で、実際に運用リストに入れてるのはTOPIX連動(1306)と金価格連動(1328)です。東証と大証もっとがんばれ!

一方で海外上場のETFは分配金が外貨建て(SBIの場合)で、再投資に組み込みにくい!EFA、EEMと保有してますが分配金はMMFでしばらく泳がせるしかないのが現状です。あと税金関連が非常に不透明で特定口座でおまかせ!にできないのは場合によってはかなり面倒なことになる。

という訳で海外上場ETFはあまり手を出す必要性も低くSTAMグローバル株式とFWFエマージングで暫定的に運用していくのが現段階ではベストだろうなと思っております。例外としてVWOの信託報酬はFWFエマージングと比較して相当安く、VWOに関しては乗り換えを検討する余地はあると思いますが・・・



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