2008年07月14日

投資信託の偉い人会議「投資信託懇親会」で話し合われたこと

ブロガーの僕たちは投資信託についてあれこれ書いてますが、それとは関係なく、投資信託の業界団体である「社団法人投資信託協会」が昨年から「投資信託懇親会」を主催して、投資信託の課題やビジョンについて検討しています。

その検討会の報告書「投資信託懇談会報告書」が公開されていたので目を通してみました。投資信託業界がどこへ向かっているのか、なんとなく見えてきた気がします。

詳しくは、報告書そのものをみていただくとして、ここでは僕が興味深いと感じた点を中心に抜粋していきます。

まず、「投資信託懇談会」メンバーについて。大学教授など学識者を中心に集めた、いわゆる第三者的な有識者の集まりのようです。座長およびめぼしい人をピックアップしてみました。

座長池尾 和人慶応義塾大学経済学部 教授
座長代理淵田 康之(株) 野村資本市場研究所 執行役
委員朝倉 智也モーニングスター(株) 代表取締役COO
藤沢 久美(株) ソフィアバンク副代表(投資信託協会理事)
川本 裕子早稲田大学大学院ファイナンス研究科 教授

そのほか大学教授、日経の論説委員などが名を連ねています。

そして、オブザーバーとして、投資信託協会会長樋口 三千人氏をはじめとした証券業界の偉い人が並んでいました。

さて、報告書の内容は、最初に投資信託の現状が述べられています。いわく、残高が過去最高の122兆円となり、個人金融資産に占める割合でも、これまでのピークである4.7%(2007年9月末)となっていて、順調に伸びているとのこと。

興味深かったのは、「投資信託に関する現状の課題と対応」として、課題がリストアップされていたところです。これもめぼしいところをピックアップしました。

上場投資信託(ETF) の多様化 法制度の改正によって我が国でも諸外国と同様に様々な資産を対象としたETF の組成が自由になる。運用会社には、家計の資産形成ニーズを汲み取った適切で魅力的なETF 開発が求められる。

運用会社の競争促進
直販会社の形態を含めた運用会社への新規参入を活発化させ、運用会社間の競争促進を行うことが必要であろう。

情報提供を通じた家計による選別姿勢の強化
我が国では一般紙に投資信託のパフォーマンス比較が掲載される場合、3ヶ月、6ヶ月といった比較的短期の期間が通常用いられている。例えば、投資信託の情報が充実しているアメリカでは、掲載される情報の中心は過去3年、5年といった長期のパフォーマンスとなっている。家計による投資信託の選別材料に加えて、投資信託の長期保有を促すためにも、投資信託協会がメディアに対して長期のパフォーマンス情報の掲載を要請することも必要ではないか。

手数料および信託報酬に関する課題
手数料や信託報酬は各社の創意工夫で自由に決められるべきものであり、その中で競争原理が機能し、適正な価格水準が形成されていく必要がある。
競争原理を十分に機能させるためには適切な情報開示が重要であるが、投資信託に関して開示される各種の情報において、手数料や信託報酬に関する情報開示には課題が多いことが指摘されている。


これ以外にもざっと見た限り、第三者を中心にした検討会として、有意義な提案がならんでいるように思いました。基本は情報公開と競争促進。ぜひ、望むべき方向に投資信託業界が進んでいってほしいものです。それから、ブログの意見もたまには取り扱ってくれるとうれしいんだけどな。

[関連エントリ]
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