2008年07月30日
長期保有してもリスクは減らない、という議論の決着は?
以前、長期保有について調べたエントリがあるのですが、それ以来そこで取り上げた議論の決着がずっと気になっています。それは長期保有したからといって別にリスクが減るわけじゃないんじゃないか、という論文の存在です。
まず、長期投資について一般に言われていることを復習しましょう。
日本総研の論文「再考:年金資産の運用規制緩和-投資リスクの時間分散効果論争からの視点」(1996年10月)から引用します。
近代ポートフォリオ理論(MPT)においては、株式のような運用リスクの大きい資産であっても、長期に保有すれば運用リスクは縮小する(投資リスクの時間分散効果)とされている。
また、僕は2005年3月のエントリ「長期保有に投げかけられた疑問」で、長期保有について次のように書いています。
長期保有の効果とは「ちゃんと銘柄分散された投資信託をずっと保有していれば、途中では大きく値上がりしたり、値下がりしたりするかもしれないけど、いずれはリスクに応じたリターンに落ち着いていく
長期保有について、よく説明されていることはだいたいこんなところだと思います。で、その「長期保有に投げかけられた疑問」の中でも書いたのですが、その考え方は間違いだ、という論文が出ています。
さきほどの日本総研の論文「再考:年金資産の運用規制緩和-投資リスクの時間分散効果論争からの視点」(1996年10月)から。
近年、ボストン大学のボディ教授が、オプション評価理論を用いて、「時間分散効果誤謬説」の正当性を改めて確認することに成功し、これが契機となって研究者・実務家間で再び「時間分散効果論争」が巻き起こされている。
しかも、山崎元氏などは長期投資がリスクを減らすという説明は「実は正しくない」と、ばっさり切って捨てています。「山崎元 ホンネの投資教室」から引用。
お金の運用に関してよくいわれる「常識」で、実は正しくないものの一つに、「運用期間が長くなるとリスクが縮小する」あるいは「運用期間が長くなれば大きなリスクを取れる」というものがある。
長期保有したところでリスクは減らない、長期保有しても安定して儲けられるわけではない、という意見はこれ以外にも数多くみつかります。それらについては、さきほど紹介したエントリ「長期保有に投げかけられた疑問」で書いているので、あわせて参照してみてください。
で、本当のところ、長期保有はリスクの低減効果があるのかどうか?この議論の発端となった論文は1996年に巻き起こっているわけで、その後この議論に決着がついているのかどうか、それ以来僕はずっと気になっているのです。ですが、残念ながらこれ以後、議論が進展したという話はまったく聞かないのです。
というわけで、あらためて自分で調べることにしました。
それについてはまた(たぶん)次回に。
[関連エントリ]
・ 長期保有に投げかけられた疑問
・ 時間分散って一体どういうこと?
・ 「時間分散」の意味は1つではなかった
[関連カテゴリ]
・ 6.投資方法・ドルコスト平均法
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投資信託を趣味にしているビジネスマン、イーノ・ジュンイチです。いつもご愛読ありがとうございます!




山崎氏は「保険でも長期の方がリスクが高い」と書いていますよね。
なんでもかんでも長期間持っていればリスクが低くなるというのはウソだと思います。利益の減っていく銘柄を長期保有しても儲かるわけありませんので。
自分はある特定の条件を満たせば、長期間投資する事によって短期的な価格変動リスクを低減することが出来る、と考えています。
特定の条件とは、インデックス投資か、バリュー投資がそれに当たるのではないか、と思います。結果論も含めていいのならグロース投資も入るかもしれません。
長期的に株価はファンダメンタルの周辺で上下する、と考えられますので、割安な銘柄は元の水準に戻り、インデックスは経済が成長すれば上昇し、グロースはその企業が成長し続ければ株価もが上がります。結果として短期の価格下落リスクを無視できるのでは、と思います。
ただ、ここら辺は厳密な意味でリスクが減る、という意味ではないかもしれません。
超長期でみれば経済は成長し続けていて株価も上がり続けていますので、特に考える事も無く長期保有しとけばいつかは儲かる、みたいな大雑把、というか間違ったハナシになってしまうのだと思います。
nyさんこんばんは。コメントありがとうございます。これについては、おおざっぱな話ではなく数学的な証明がきっとあるのだろうなと想像してます。ま、これから調べますので、どんな結論なのかは想像するしかないわけですが。
ワクワク…(^^)
き、期待されている...。
数学的な証明は例えば
http://mathdonald.seesaa.net/category/5453016-1.html
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