2008年07月 1日

週刊東洋経済の特集「投資信託 『嘘』と『本当』」はインタビューが面白い

今週、6月30日に発売された週刊東洋経済は投資信託特集。全体に力が入った特集でした。特に面白かったのはインタビュー。「信託報酬は下がらないのか」「アクティブはインデックスに勝てるのか」という疑問をキーマンに直接ぶつけています。

Touyoukeizai080630_31つめのインタビューの相手は、総資産が5兆円を超えて、日本でいちばん売れている投資信託である「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の運用会社、国際投信投資顧問の山内一三 取締役副社長。これだけ売れて儲かっているのだから、信託報酬は下がらないのかと、ズバリ聞いています。

―――信託報酬率を下げる可能性はありませんか?

今すぐにどうするといった検討はしていない。現在、保有者は150万人ぐらい。年間4000回ぐらいセミナーをやっているが、それでも動員できるお客さんは年間4万~5万人程度にすぎず、もっと情報提供に労力とコストを注ぐ必要がある。投信は売りっぱなしの商品ではなく、アフターサービスも大事だ。

質問に対する答えは、要するに、アフターサービスにコストがかかるから信託報酬率を下げられない理由だとのこと。しかし、同社に入る信託報酬は年間で数百億円にものぼるはずです。アフターサービスに何十億円、何百億円もかかるものでしょうか?できればぜひその辺をさらに突っ込んで聞いてみてほしかった。

もう1つのインタビューでは、アクティブ運用に対する疑問を、アクティブ運用による投資信託では業界のリーダー的存在の、さわかみ投信 代表取締役 澤上篤人氏に聞いています。これも大変に興味深い受け答えです。

―――アクティブ運用は、インデックス運用にコストでも運用成績でも理論的に勝てないともいわれていますが、アクティブ運用の代表としてどう反論されますか。

(略) 80~90年代は米国の株式市場を見ても以上にいい状態が続いた。NYダウは82年から00年までに15倍になっている。インデックス運用がよかった理由はそこにある。ただ00年以降は相場は難しくなっており、どちらの運用がいいのか新たな検証が必要だ。 (略) 今のように悪い状態から立ち直る時期は、金利も上がりだし、企業倒産も増える。こういう時期は100%アクティブ運用でなければならないと考える。しかし将来はわれわれとしてもETFやインデックス投信を組み入れることは十分ありうる。

澤上氏の答えは、理論に対してそのまま反論するのではなく、前提条件に疑問を呈した上で、自らの経験で得たある主の信念を語る。経験豊富なファンドマネージャならではという感じがします。

そして特集の最後には、われらが山崎アニキも登場するのですが、それは次のエントリで。

[追記]
この週刊東洋経済の特集は、ほかのブログでも興味深い感想が書かれていましたので紹介します。
週刊東洋経済特集「投資信託・嘘と本当」はヒドイ(ホンネの資産運用セミナー)
週刊東洋経済 投資信託「嘘」と「本当」(20歳からの投信による資産形成)
投資信託 嘘と本当(rennyの備忘録)
橘玲が海外ETFにコメント/山崎元vs松尾健治の論争 『週刊東洋経済』(チラシの裏)

[さらに追記7/2]
マネックスの内藤忍氏からもトラックバックをもらいました。
東洋経済の投資信託特集にだまされるな!(SHINOBY'S WORLD)

[関連エントリ]
5兆円の投資信託「グロソブ」運用会社の言い分
「投信の罠」週刊ダイヤモンドの特集は買いだ!
「投資信託の罠」あの週刊ダイヤモンドの特集が書籍に
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[関連カテゴリ]
1.よもやま投資信託

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