2008年07月17日

英国モーニングスターのコラムから:ファンドのコストを評価する

投資信託を特集した週刊東洋経済の記事の中に、海外の投資信託の手数料について書いた記事がありました。「本当かな」と思った僕は、米国や英国のモーニングスターのWeb サイトで資料がないかとざっくり見てみたのですが、そんなにすぐに見つかるはずもありません。その代わり、面白いコラムを発見しました。

面白いコラムとは、英国モーニングスターで掲載されていた最新のコラム「Assessing Fund Costs: Use the Right Measure」(投資信託のコスト調査:コストを正確に把握しよう)です。

著者はクリストファー・トルールセン(Christopher J. Traulsen)氏です。そして記事の主旨が、冒頭でこんな風にまとめてあります。

You can substantially improve your odds of success with low cost funds, but be sure to look at the right cost measure.
低コストの投資信託によって、あなたが投資で成功する確率を大きく改善できる。だから大事なのは、コストを正確に把握することだ。

では本文を読んでいきましょう。最初に、コストがなぜ重要なのか?について。

So why do costs matter? It's simple--they eat away at your returns year after year, and their impact compounds over time.
なぜコストは重要なのでしょう ? それは単純なことで、コストは、あなたの利益を毎年毎年食いつぶしているのです。そしてその影響は、毎年倍々ゲームのように積み重なっていきます。

そう、このコラムの主題は投資信託のコストについてです。以下、ポイントを拾っていきます。

Funds in the UK have not been required to disclose meaningful operating cost figures until recently, and to truly look at the impact of costs and capture the effect of compounding, you need to evaluate long periods of time.
英国の投資信託ではこれまで、運用コストの内容については公開する必要がありませんでした。そのため、コストが投資信託にどのようなインパクトを及ぼすのかについては、長い期間をかけてその投資信託を評価する必要がありました。
Our studies in the US market have evaluated 10 years of data and show that costs matter dramatically. Among US equity funds, for example, offerings in the cheapest quintile of their respective Morningstar U.S. peer groups were more than 2.5 times as likely to outperform their average peers over the next 10 years as offerings in their peer group's most expensive quartile.
われわれの調査では、米国市場の過去10年についてのデータで、コストの影響は劇的だということが分かりました。米国の株式投資信託を例にしましょう。モーニングスターの分類方法を用いたある分野の投資信託では、コストの安いほうから選んだ4分の1の投資信託グループは、コストの高いほうから選んだ4分の1 の投資信託グループを、2.5倍も上回る結果を出したのです。
The relation between costs and success was no fluke--it held across all expense quintiles and major asset classes. That is, among US equity, international equity, and bond funds, the cheapest quintile was likelier to outperform not just the most expensive quintile
コストと成功のあいだの関係は、決して偶然ではありません。米国株式でも、国債株式でも、債券ファンドでも、コストが最も安いグループが、コストの最も高いグループを上回る実績を収めています。

これ以降は、英国での投資信託の情報開示の事情などが続くので、省略します。

英国でも、「投資信託のコストは低いほうがいい」ということの重要性が主張されている、ということですね。

日本のモーニングスターも「ファンドアナリストの視点」というコラムを掲載してくれていますが、ぜひこうした読みごたえのあるコラムの翻訳なども掲載してほしいな、と希望を述べておきます。

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水瀬 ケンイチ (2008/07/18 21:57:49)

イーノさんグッジョブ!(^^)b

ファンドの海管理人 (2008/07/19 0:00:52)

水瀬さんコメントありがとうございます! あ、土曜日のインデックス投資家のやつ、いきますのでヨロシク!楽しみです。



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