2008年08月28日

「投資信託の道具箱|ファンドの海」を公開します!

先日、ネットでいちばん役に立つ投資信託ガイドを目指す「投資信託のガイド|ファンドの海」を公開したばかりではありますが、さきほど出来上がった「投資信託の道具箱|ファンドの海」の公開を開始します!

投資信託の道具箱は、いまのところアセットアロケーションを入力すると、期待リターンとリスクを自動的に計算してくれるページが1ページあるだけですが、けっこうチカラが入ったページになっています。どんなものなのか、ちょっとご紹介。

まずは資産クラスごとの金額の入力。金額で入力することもできますし、パーセンテージで入力することもできます。どちらを入力しているか、入力欄を示す青い枠が示してくれるユーザーインターフェイスを作りました。

Toolsfig1_2

入力に反応して自動的に計算が行われ、資産クラスの割合を示す円グラフと、期待リターンとリスクの大きさを示す線グラフが描画されます。特に線グラフはリスクの大きさを示すものとして工夫してみました。外側の薄い緑が95%の確率の範囲、その1つ内側が60%、いちばん内側の緑が30%の確率の範囲。そして中央の線が期待リターンです。

Toolsfig2

最大の見せ場は、投資機会集合の散布図(いわゆる効率的フロンティアを含むグラフ)と、その中での現在のアセットアロケーションの位置です。リスクに応じたリターンをもっと追及できるのではないか? といった試行錯誤に超便利! っていうかこんなグラフが出てくるだけでカッコイイですよね(自己満足 :-)。

Toolsfig3

「やっぱり資産を組み合わせるとリスクが減るんだ」「もっとよい資産の組み合わせがありそうだ」など、試行錯誤するだけでも楽しいツールです(ですよー)。

一方で、このツールが示す内容を深く理解するには、期待リターンとリスクの意味、基礎データをどう解釈し、自分なりに味付けするか、効率的フロンティアとはなにか、などなど多くの解説が必要です。そうしたところは、僕ひとりではできないので、今後いろんな書籍やブログなどでの説明が充実してくるといいなと思います。

いままではそうした説明をしても計算するのが面倒だったので、「ふーん」で終わってしまい、実際の役に立たせることは難しかったわけです。が、手軽に試せて結果がグラフで分かるようになれば新しい状況が生まれてくるんじゃないかと、このツールの公開が、そうしたことのきっかけになるといいなと、希望的に考えてます。

以下。開発の裏話。

もともとこのツールは、1カ月前の7月25日に書いた「アセットアロケーションのリスク計算ページ作成中」で作っていたプログラムを拡張していったんです。その過程で、ツールに必要なデータを探して「過去の株式市場のデータ、どこから入手できる?」というエントリでデータを探してみたり、数式を確認するために「現代ポートフォリオ理論を勉強中」で本を買って読んだりして、完成度を高めていきました。実際のところ、この投資信託の道具箱を作るための金融知識のほとんど全ては、書籍「現代ポートフォリオ理論講義」から学びました。

僕はプログラマとしては素人なので、プログラムの開発は参考書を片手にコツコツと組み上げていったのですが、プログラミングそのものは楽しい作業でした。文章を書くのとは違って、成果が動作として返ってくるのがプログラムのよいところですね。

いちばん面倒だったのが、グラフ作成のためにGoogle Chart APIというグーグルの機能を呼び出したところ。グーグルのサイト以外には詳しい情報があまりなく、どんなパラメータを渡すとどんなグラフが出てくるのか、自分でかなり試行錯誤をしながら実現していきました。

しかし一方で、このグーグルのグラフ機能があったからこそ実現できたことは間違いありません。とくに、投資機会集合の散布図。これは最初は作るのに時間がかかりそうだったので公開予定には入れていなかったのですが、すでにリスクとリターンを求めるプログラミングは終わっていたため、グラフ描画に取り掛かって3日くらいでできてしまいました。もしもグラフを描くところからプログラミングしていたら途中で挫折していたことでしょう。便利な世の中になったものです。

ただし、資産クラスが4種類だけになったのは自分でもちょっと残念です。理由は複合的で、これ以外のデータが手に入らなかったこと、資産クラスが増えると計算量が加速度的に増えて速度が遅くなりそうだったこと、特に散布図の点の個数が指数で増えていくので、これ以上増やすとその部分はかなり抜本的な書き直しが必要になりそうだった、といったことがあげられます。ただ、データさえ手に入れば、時間を掛ければプログラムの改良はできるかもしれないため、いずれ資産クラスの種類は増やしてみたいですね。

そして最後に悩むのはデザイン。目指しているのは、使いやすくて、できるだけシンプルで見栄えのよいデザイン。僕はグラフィックの才能がまるでないので、できるだけ画像を使わないで実現することが前提なのです。今回もかなり頑張ったつもりですが、どうですか。

というわけで、あなたのアセットアロケーションはどんなリスクとリターンになっているのか? このツールでぜひぜひ調べてみてください。試行錯誤するだけでも楽しいですよ、きっと。ちなみに、IE6、IE7、FF3で動作確認しています。

[関連エントリ]
「投資信託のガイド|ファンドの海」を公開しました
アセットアロケーションのリスク計算ページ作成中
過去の株式市場のデータ、どこから入手できる?
現代ポートフォリオ理論を勉強中

[関連カテゴリ]
1.よもやま投資信託

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かず (2008/08/28 23:43:23)

力作お疲れさまでした。
今週末にいろいろ試させてもらいます^^

ファンドの海管理人(イーノ) (2008/08/29 0:00:12)

かずさん、コメントありがとうございます。ぜひ試してみてください。お役に立ちますよーに。

アルビレオ (2008/08/29 5:20:15)

おお、私は職業プログラマを10年以上やってるんですが、スクリプト関係はさっぱりなのでwebプログラミングがまったくできません(w
やっぱりちゃんと勉強したいなぁ。

ところで圧倒的に計算量を食ってしまう分布図ですが、これは赤い十字点以外はユーザーの入力によって変化しないので定数として考えることができます。
コードを見ると律儀に全部計算していましたが、青点の座標はあらかじめExcelなどで計算させておいたCSVファイルを読み込むようにすれば「ものすご~く」高速化できます。
相関係数や各資産クラスのリスクリターンの数字を変えるときは再計算しなきゃいけませんが、そう頻繁に変更するものでもないので問題ないでしょう。

つか、よく見たら資産クラスごとのリスクリターンも変更できるのね。
これはこれで便利だけど、計算量を減らすためにここは固定してみてはどうでしょうか。

ファンドの海管理人(イーノ) (2008/08/29 11:21:11)

アルビレオさん、こんにちは。グラフは(というより、道具箱のすべての計算が)、資産クラスごとのリスク、リターンの変更や相関係数の変更にも自動的に対応するので(座標軸の数値も全部ダイナミックに変わります)、それはそのまま維持したいんですよね。

計算量に関しては、IEもFFも次のバージョンで数倍速くなりそうだということなので、まあそれほど心配していません。

てことで、問題はデータとグラフへのパラメータ数なんですね。どこかで国内と海外のRIETを含めたデータありませんかね。イボットソンに値段聞いてみようかな。

それから、Google Chart APIへ渡すパラメータ(座標データ)もあんまり長いとエラーになるみたいなので、ここのデータ圧縮方法をどうするかも課題なんです。

まあ趣味でやっているので、ぼちぼちやっていきます。

sean. (2008/08/30 12:16:39)

素朴な疑問

現代の金融理論を分かりやすく解説していただき、ありがとうございます。感服いたしました。その熱意に甘えて、小生の日頃の疑問を記します。誤解などご指摘ご教授願えれば幸いです。

“ポートフォリオ・パフォーマンスの決定要因”で言われていることは、『91の年金の10年間の実績を調べた結果、アセットアロケーション要因が最も大きく、トータルリターンのうち93.6%を占めている』ということですね。しかし、このアセットアロケーションはどのようにして決めたのでしょうか。論文で用いられたベンチマークは、アクティブ運用の結果の平均値です。つまり、試行錯誤した結果、事後的に最適なアセットアロケーションが決まるのであって、事前には分からないのではないでしょうか。

”現代ポートフォリオ理論”は、『アセットクラスへの配分比率によって期待リターンとリスクを事前に計算し、さらに効率的フロンティア曲線上の位置を示すことによって、最適な資産配分を検討することが出来る』ことを意味していますね。しかし、この計算は過去のデータに基づいて行われます。アセットクラス毎のリターンやリスク、あるいはアセットクラス間の相関係数は変化しないものなのでしょうか。例えば、エマージング株式にしても、中国を始めとする現在の新興国の規模や影響力は、20年前の発展途上国とは質量とも全く異なっているように感じます。また、昨今は世界的に金余り状態であると同時に金融のグローバル化が進み、相互の相関が強くなっているように思います。

また、アセットクラスの分類も問題が多いと思います。金融商品は次々と新しいものが出現しています。ところが、このような新商品はデータが少ないためにアセットクラスとして位置づけて計算することが出来ていません。例えば、東証REIT指数は2003年4月から公表されていますが、2007年6月をピークとする山形で1周期完了していませんからデータとして用いにくいと思います。ダイナミックに変化する金融の世界を、静的な統計処理で理解しようとすることには限界があるように感じています。

ファンドの海管理人(イーノ) (2008/08/30 18:37:05)

sean.さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ご質問はそれぞれごもっともな疑問だと思います。正解かどうかは別にして、僕にも回答らしき考えがそれぞれあるのですが、長くなりそうなので近々エントリでお返事したいと思います。しばしお待ちください。

sean. (2008/08/31 18:04:26)

お返事ありがとうございます。
新エントリ、楽しみにしております。

なみ (2008/09/11 9:28:33)

いつも読ませていただき、自分の資産運用の参考にさせていただいております。

今回公開していただいたアセットアロケーションのツールは比率・期待リターン・リスク・グラフが瞬時に表示され非常に使いやすいです。特に円グラフ・線グラフ・散布図と視覚的に見えるところが非常に分かりやすいと思います。

ところで、突然で申し訳ございませんが、もし許可をいただけるならば、このツールで計算した毎月の自分のアセットアロケーション比率(円グラフのみ・金額部分は除く)を画像として、現在作成中の自分のブログに掲載させていただきたいと考えております。ご検討いただければ幸いです。

これからも頑張ってください。

ファンドの海管理人(イーノ) (2008/09/11 20:49:51)

なみさん、こんにちは。便利に使っていただいているようで嬉しいです。グラフはもちろん、ご自由にブログなどに貼っていただいてかまいません。今後ともよろしくおねがいします!

kenz (2009/12/30 17:08:50)

こんにちは。ポートフォリオグラフメーカーと共に使わせていただいております。ブログに簡単に張ることができるので大変重宝しています。今後ともよろしくお願いいたします。



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