2008年08月 8日

理屈はいいから上手なポートフォリオを組んでみたい僕とあなたに

分からないことがあるとまず理屈から調べてしまうのが僕の性分なわけですが、とはいえ実際にポートフォリオはどんな風に作ればいいのか手っ取り早く知りたくもあり、そのための情報やサービスを集めてみました。

ポートフォリオを設計するときに参考になりそうなしっかりした資料って、本当に少ないんですよね。

世の中には「流動性資金として 30%は残しておいて、外国株を40%、日本株が20%、それにいまなら有望なBRICsを10%ほど組み入れるのも面白そうですね」などと、フィナンシャルプランナーを名乗る人が、根拠も示さず、リターンもリスクも説明してないポートフォリオを紹介するような役に立たないアドバイスがあふれております。はい。

そんな中、ポートフォリオの重要性を国内で最も訴えている人の1人が、マネックスユニバーシティ社長 内藤忍氏。彼の執筆した2冊の書籍は、おそらく一般向けに書かれた書籍としては、もっとも具体的に書かれ、それゆえに役に立つポートフォリオ設計の入門書でしょう。

Naito_books

【新版】内藤忍の資産設計塾内藤忍の資産設計塾 実践編。写真に写っているのは新版ではないですが。

それから、山崎元氏も一般向けのポートフォリオはどうあるべきか、常に念頭において情報発信している人です。最近の山崎氏のポートフォリオ提案は拍子抜けするほどとてもシンプルで、しかも数字に裏打ちされた説得力がありますので、ぜひ一読をお勧めします。

P_oosama

王様の耳はロバの耳!超々シンプルな個人のマネー運用術 2008年07月11日

ブログでは、「ホンネの資産運用セミナー」での解説が詳しいです。が、ちょっと専門用語が多いので、普通の人は参考程度に。

P_honne

ホンネの資産運用セミナー アセットアロケーションの基本

続いて、ポートフォリオの設計を手伝ってくれるシミュレーション。ネットには、年齢や年収、貯蓄額、投資に対する姿勢などを入力すると、自動的にポートフォリオを提案してくれるサービスがあります。

ただし、これらを使う上で気をつけなければいけないのは、提案してくれるポートフォリオが、その金融機関が提供している商品に偏る傾向がある、ということ。「利用者に最適」なポートフォリオの提案でなく「金融機関にとって最適」なポートフォリオを提案している可能性がある、ということを認識して利用するべきと思います。

ソニー生命保険の「ポートフォリオ・シミュレーション」は、投資スタイルを「保守的」「安定的」「積極的」のなかから選んで、さらにリスク許容度の大きさを選ぶと、適当なアセットアロケーションを提案してくれる、というもの。ちょっと使い方がややこしいですが、自分でアセットアロケーションを設定して、そのリスクの大きさを計算してくれるなど、豊富な機能ときれいな画面が特徴。

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新生銀行の「分散投資シミュレーション」は、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4つの資産の過去のデータをもとに、投資期間、初期投資金額、積立金額などを設定すると、それぞれの資産への投資結果や、4資産に分散した場合の投資結果などが自動的に計算されて表示されます。自分の資産設計の試行錯誤に使えそうですね。

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確定拠出年金インフォメーションサービスの「アセットアロケーションシミュレーション」は、運用スタイルを慎重運用はやミドル・リスク型、収益重視型など 5つの選択肢から選ぶだけで、ポートフォリオを提案してくれて、そのリスクとリターンも表示してくれるシンプルなもの。このサービスは、信金中央金庫から委託を受けた株式会社日立製作所により運営されているとのことです。

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岡三証券の「モデルポートフォリオ診断」は、「岡三の DCプラン インターネットサービス」のページから左にあるメニューの「シミュレーション」を選ぶと開始できます。年収や貯蓄額など簡単な質問に回答すると、適切なポートフォリオを提案してくれます。

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中央三井信託銀行の「ポートフォリオ・シミュレーション」は、年収や貯蓄額などのほかに、金利の動向など自分の見通しも含めたポートフォリオを提案してくれます。


P_chuo

これらのサービスのうち、いくつかは過去に試したことがあります。その模様は過去のエントリ「まとめ:ポートフォリオ診断を見比べてみると」をぜひご覧ください。

なんだかんだいっても、ポートフォリオの設計は難しいものです。僕としては、山崎元氏の提案するポートフォリオくらいシンプルでいいのなら、それもアリだなあと思います。

[関連エントリ]
現代ポートフォリオ理論を勉強中
アセットアロケーションはどれほど重要か? 20年の議論の軌跡
内藤忍氏が勧めるアセットアロケーション
まとめ:ポートフォリオ診断を見比べてみると

[関連カテゴリ]
C.アセットアロケーション

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【紹介記事】投資信託のブログ|ファンドの海 - 理屈はいいから上手なポートフォリオを組んでみたい僕とあなたに [SHINOBY'S WORLDから]

水瀬 ケンイチ (2008/08/09 10:41:28)

いろいろな企業がツールが公開されているんですね。
僕はタロットさんが公開してくださっているツールを使っています。
ポートフォリオがシンプルなのでこれで十分すぎます(^^)

恵(KEI) (2009/11/06 17:49:17)

はじめまして。

「ポートフォリオグラフメーカー」
利用させていただきます。

「アセットアロケーション分析」などもすごいですね(*^_^*)

宜しくお願い致します。


ファンドの海管理人(イーノ) (2009/11/06 23:25:55)

KEIさんはじめまして。僕が作ったツール、使っていただいているんですね、ありがとうございます。ぜひ、こんごともよろしくおねがいします。

海外投資マニア (2011/06/24 13:12:54)

イーノさん、こんにちは。とても勉強になります。

私のようにやたらといろんな金融商品に手を出したくなる人間にとって、
ポートフォリオ管理機能は貴重なツールです。

ポートフォリオ理論については、以下のサイトも詳しいですよ。
http://www.minkaigai.com/archives/category/ima/bunsan
(みんなの海外投資)

経済のグローバル化が進むほどに、
有効な分散投資がむずかしくなってきているような気がします。



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