2008年08月27日

後日談、ポートフォリオ・パフォーマンスの決定要因

アセットアロケーションによって運用の結果の大半が決まるのは本当なのか、ということを延々と調べ続けたのは今年の1月のことでした。あのときには、原点となる英文で書かれた論文の日本語訳はおろか、解説を見つけることもできませんでした。

あの当時見つからなかった論文「Determinants of Portfolio Performance」の日本語での説明ですが、その後もこのテーマに興味を持ち続けているうちに、金融専門家向けの書籍などには多少の解説があることを発見しました。

Kaisetu_book最初に見つけたのは、論文「Determinants of Portfolio Performance」の著者自身であるブリンソン氏の著書「グローバル・インベスティング」の中でした。しかもこの著書、イボットソン氏との共著です。この中の第4章「アセット・アロケーション」の冒頭3ページ程度でアセットアロケーションの重要性を説明するために、論文の概略を記しています。

もう1つは、日本証券アナリスト協会編「証券投資論」。証券アナリストにとっての教科書のような本みたいなのですが、この本の「第8章 ポートフォリオ構築と評価」の中で4ページほどを使って、論文について解説をしています。

それから、ネット上で唯一解説らしきものを見つけたのは、ニッセイ基礎研究所のレポート「ニッセイ年金ストラテジー」1999年06月号(vol. 036)の「アセット・アロケーションの重要性とリバランス(上)」で、ごく短く論文の結論が解説されています。

これらを読んで、あらためて僕が論文を読み解いて説明したことに間違いはなかったんだなと確認できました。と、同時に、あの論文を日本語であれだけ詳しく解説しているものは、ネットでも紙でもいまのところこのブログだけなんだな、とも思って、ちょっと複雑な気持ちにもなります。あれだけ数多く引用され、日々重要さを増している論文そのものをだれも詳しく解説しようとしてないわけですもんね。

ただ、僕のブログでの解説も記事が何本にも渡っていて読みにくいため、いずれ時間を作ってまとめサイト化したいなと思っています。

[関連エントリ]
アセットアロケーションの重要性に気が付く
“アセットアロケーションが重要”という説の起源を探す
論文「Determinants Of Portfolio Performance」を入手する!
論文「Determinants Of Portfolio Performance」の要約
“ポートフォリオ・パフォーマンスの決定要因”要約の解説(その1)
“ポートフォリオ・パフォーマンスの決定要因”要約の解説(その2)
アセットアロケーションはどれほど重要か? 20年の議論の軌跡
徹底解説:パフォーマンスの決定要因の分析に使われたデータ群
徹底解説:パフォーマンスの決定要因を分析するフレームワーク
徹底解析:パフォーマンスの決定要因は回帰分析で求められた

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C.アセットアロケーション

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