2008年09月24日
金融理論がアシモフのSFみたいに思える今日この頃
金融理論、例えば効率市場仮説や行動ファイナンスをかじると、なんだかSFの味がします。アイザック・アシモフのSF大作「ファウンデーションシリーズ」を思い出すのです。
ファウンデーションシリーズは銀河系の未来史を描いたSF小説です。アイザック・アシモフの代表作の1つといってもいいでしょう。
天才数学者ハリ・セルダンは、彼が構築した「心理歴史学」により、人類の未来を数学的手法で予測します。その予測は秘密にされたまま、その予測に従って銀河を破滅から救う謎の組織「ファウンデーション」の活躍が物語の軸となります。
心理歴史学はこのSFの中に登場する、集団としての人類の未来を数学的に予測する学問です。その予測が成り立つためには、膨大な人数からなる集団であること、個々人が独立して判断すること、など条件が設定されています。
現実に存在する金融理論、効率的市場仮説や行動ファイナンスは、心理歴史学のような未来を予測したりする理論ではありません。しかし、市場では大勢の人たちが、それぞれの思惑で売りと買いをぶつけ合い、あらゆるものが1つの値段に収斂していきます。なんだか心理歴史学の条件に似てますよね?
金融理論をかじっていると、僕にはこれが遠い未来に、ハリ・セルダンの「心理歴史学」に発展するんじゃないか、なんてことをぼんやりと考えてしまいます。
ずっと昔に文庫で読んだファウンデーションシリーズは実家に置いてきたままでした。また買って読んでみようかな。
[関連エントリ]
・ 現代ポートフォリオ理論を勉強中
・ 過去の株式市場のデータ、どこから入手できる?
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投資関係の理論のひとつに「APT」というのがありまして…
http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/investment/yamazaki/in05_report_yamazaki_20070803.html#skip3
これを極端に拡大解釈すると社会で起こるあらゆる要因をリスクファクターとして組み入れることになり、目的こそ違ってもやっていることは心理歴史学と差がなくなったりします。
ファウンデーションの方がずっと古いですけどね。
また心理歴史学には「対象集団内に心理歴史学を知っている人間がいると、それが予測不可能な外乱要因となって正しい予想はできなくなる」という一種の不確定性原理まで入ってたり、他にも実現不可能と思われるつっこみどころはいろいろと…まあ、フィクションですからね。
名作かつ大作なのは間違いないし。(正編と言えるアシモフが書いた分だけで、間隔をあけながら40年以上書いてます)
投資がらみのSFといえば、技術オタクのベンチャー起業家を主人公にした『夏への扉』(ハインライン)も古典的名作で面白いですよ。
現実的に見れば子供騙しじみた点は多々ありますが(笑)
ファウンデーションは、突然変異のミュータントに
のっとられていましたね。こちらの方は、不確実性
ですかね(笑)
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