2008年10月17日

アセットアロケーションには自分の意志を込めていい(1)

たとえどんな立派な分析方法でも、基になるデータがいい加減であれば、分析結果もいい加減になってしまいます。アセットアロケーションを考える上でも、この「基データをどうするか」は大きな問題です。

先日、インデックス投資家交流会があったときに、ある方から「どうしても自分のアセットアロケーションが効率的フロンティアかどうか気になってしまう」と言われました。

効率的フロンティアというのは、「アセットアロケーション分析」の投資機会集合のグラフの上端に位置する部分を呼びます。この部分は、リスクに対してもっとも効率的なリターンが得られる場所とされているのです。

下の図の、ピンクの帯で示したのが効率的フロンティアの部分です。

Efrontier01

例えば、以前例に出した勝間和代さんのお勧めするアセットアロケーションは、赤い点で示されていますが、これは効率的フロンティにほぼ位置しますから、リスクに対して効率的なリターンが得られることになりますが、もしこの点が、濃い青い点のようにもう少し下にあったならば、リスクは同じようにとっている(横軸)のに期待リターンが少ない(縦軸)ので、リスクに対してリターンの効率が低いわけです。

ただし、この投資機会集合のグラフには当然ながら基データがあります。それが年金積立金管理運用独立行政法人のデータです。

そして、このデータにはすでにこの法人の意志が込められています。

例えば、それぞれの期待リターンはどうやって求めたのかといえば、こんな感じです(どのデータを参照したかは、エントリ「過去の株式市場のデータ、どこから入手できる?」を参照してください)。

国内債券:モデルから算出された実質長期金利 1.74%~2.21%(中央値 2.1%)より、2.0%を選び、CPI推計値(1.0%)を加えた3.0%を国内債券期待リターンの推計値として採用した。

国内株式:モデルから算出された実質株式リターンは3.42%~4.28%(中央値 3.72%)より、3.8%を選び、CPI推計値(1.0%)を加えた4.8%を国内株式期待リターンの推計値として採用した。

ね。計算で求めた結果に適当な見通しを加えていじっています。それを値として採用しているわけです。ちなみにCPIというのは消費者物価指数です。

でも、1%ずつ物価があがっていくというのは実感として合っているでしょうか? それに連動して株価も上がると考えるのは適当でしょうか? これは人それぞれ考えが違うと思います。

だから、このデータを基にして期待リターンやリスクや効率的フロンティアを計算した結果、というのは、あくまでこの法人の推測に基づいた結果でしかないのです。

ちょっと長くなったので、明日に続きます。

[関連エントリ]
勝間和代さんのアセットアロケーションは本当にお勧めか、検証してみた
過去の株式市場のデータ、どこから入手できる?
「投資信託の道具箱|ファンドの海」を公開します!
現代ポートフォリオ理論を勉強中
アセットアロケーション分析(投資信託の道具箱|ファンドの海)

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