2009年02月12日
早くも帰ってきた! 連載:リスク資産の複利確率(1)~ 連載の目的と前提
株式や投資信託のように株価が変動する金融商品を長期保有した場合、果たして複利で増える確率はどうなるのか? を徹底的に調べ続けるあの連載が、はやくも帰ってきました!
前回の連載の最終回「まとめ:もしくは再検討の予告」からいろいろと調査や勉強をして、またいろいろとブログに書ける内容がたまってきたので、時間をやりくりして連載を開始することにしました。
今回はその連載をはじめるにあたり、あらかじめ目的と前提を整理しておきたいと思います。
この連載「リスク資産の複利確率」の目的は、投資信託のようにリスクがある金融商品を長期保有したとき、本当に複利で増えることを期待していいのだろうか? ということを知ることです。リスク資産を長期保有したときに、複利以上に増える確率はどれくらいなのか(逆にいえば複利以下になる確率はどれくらいなのか)、シミュレーションを行い、できれば確率を表す計算式を求めたいと考えています。
例えば、定期預金は元本も金利も保証されていますから、必ず複利で増えていきます。でもリスク資産は、ある年は10%増えるけれど、ある年は8%減る、といった増減を繰り返してきます。こうした、値動きに変化のある投資信託などは、長期でみたときに本当に複利効果があるのでしょうか? あるとしても、リスク資産ですから当然、大損する可能性もあれば大儲けする可能性もあるわけです。だとしたら中くらいの儲けになる確率、あるいは複利程度に儲けられる確率はどれくらいなのでしょうか?
そのことを、期待リターンとリスクを元にしてシミュレーションを行い、また計算などを行っていくつもりです。
もう少し具体的に書くと、次のような問いになります。
元本1万円、期待リターンが年10%、リスクが年30%の金融商品があったとします。
問1) 20年間保有したとして、10%複利である約6.73万円を超えている確率は何%か?
問2) 20年間保有したとして、20年間のリスクは何%か?
この2つの問いに答えを出したいのです。
シミュレーションや計算の前提として用いるのは、金融工学的な考え方です。つまり、期待リターンが5%、リスクが20%の金融商品があると仮定したとき、その値動きはおおよそこの期待リターンとリスクに従って上下に正規分布する、ということ。ここに立脚しておかないとシミュレーションや計算のものが成り立たなくなってしまいます。
一方で、この連載の目的は、市場や金融商品の値動きや将来を予想するためのシミュレーションや計算を行うことではありません。あくまでも、金融商品の持つ現時点での期待リターンとリスクを元にして、それが将来にわたって続いた場合を前提にして確率分布を求めるものです。
さて、では次回からさっそく調査にはいっていくことにしましょう! みなさん、またついてきてくださいね!
この連載のバックナンバー
・ 早くも帰ってきた! 連載:リスク資産の複利確率(1)~ 連載の目的と前提
・ 連載:リスク資産の複利確率(2)~ 参考書に載っている計算式
・ 連載:リスク資産の複利確率(3)~ リターンとリスクのグラフ化
・ 連載:リスク資産の複利確率(4)~ 収益率が正規分布に従うということ
・ 連載:リスク資産の複利確率(5)~ 正規分布なシミュレーションの設計
・ 連載:リスク資産の複利確率(6)~ 正規分布なシミュレーションをExcelで実行
・ 連載:リスク資産の複利確率(7)~ 食い違う計算結果とシミュレーション結果の「謎」
・ 連載:リスク資産の複利確率(8)~ 謎を解くカギは「B方式」にあるらしい
・ 連載:リスク資産の複利確率(9)~収益率の変化をシミュレーションするという
・ 連載:リスク資産の複利確率(10)~どうして収益率を足しているのだろう?
・ 連載:リスク資産の複利確率(11)~連続複利とは? 無限に連続する複利の金利を求める
・ 連載:リスク資産の複利確率(12)~連続複利を計算してみた
・ 連載:リスク資産の複利確率(13)~連続複利の世界では掛け算が足し算になる!
・ 連載:リスク資産の複利確率(14)~ 収益率を連続複利だと想定したシミュレーション
・ 連載:リスク資産の複利確率(15)~ もういちどこの連載の目的を確認する
・ 連載:リスク資産の複利確率(16)~新たな考え方でシミュレーションを作ることにした
・ 連載:リスク資産の複利確率(17)~シミュレーションのために連続複利年率を求める
・ 連載:リスク資産の複利確率(18)~連続複利年率のリスクの求め方のはずが、どんでん返しに!
・ 連載:リスク資産の複利確率(19)~シミュレーションのための連続複利年率とリスクの求め方とは?
・ 連載:リスク資産の複利確率(20)~シミュレーションの作り直し3度目の正直
・ 連載:リスク資産の複利確率(21)~新しいシミュレーションを試してみる
・ 連載:リスク資産の複利確率(22)~最も重要な公式、N年後の確率分布を求める式を記す
・ 連載:リスク資産の複利確率(23)~複利で増える可能性は明らかに半数未満である
・ 連載:リスク資産の複利確率(24)~リスクは結果のバラつきだけでなく、やはり危険度を表している
・ 連載:リスク資産の複利確率(25)~期待リターンに対して、これ以上とってはいけないというリスクの上限がある
・ 連載:リスク資産の複利確率(26)~長期投資で儲かる確率が上昇するかどうかは、リスクの大きさがカギ
・ 連載:リスク資産の複利確率(27)~これが合理的なリスクの取り方ではないのか!
・ 連載:リスク資産の複利確率(28)~最終回「総集編」
[関連カテゴリ]
・ H.リスク資産の複利確率
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≫次 : 連載:リスク資産の複利確率(2)~ 参考書に載っている計算式
≪前 : 「投信販売『顧客本位』どこへ」という記事

投資信託を趣味にしているビジネスマン、イーノ・ジュンイチです。いつもご愛読ありがとうございます!




ついに再開ですね。前回は、モヤモヤした状態で終わったしまったので、再開期待していました。
目的は、複利効果があるのかではなく、複利で増える確率に変わったんですね。
この前の週刊エコノミスト(2/17日号)の「現代金融理論を打ち砕いた2008年の世界株価大暴落」という記事でも、リスクのある金融商品は、正規分布ではなく、ベキ分布になるようなことが書かれていました。
今度のイーノさんのシミュレーションがベキ分布orファットテール等も加味されているのか気になります。
やすともさん、さっそくのコメントありがとうございます! でも、あんまりハードルあげないでください……ベキ分布は加味してませんが、連続複利が新登場、そしておなじみの対数正規分布がよりパワーアップして登場する予定です! そしていまプロットを書いている段階ですが、結末まで今回はちゃんと用意してますんで、ハードルあげすぎない程度にご期待ください。たぶん10回連載くらいでまとまるはずです。
はじめまして。楽しく読ませて頂きました。
私も投信の積立を行っておりまして一番の
疑問が「株の複利効果って何?」でした。
配当貰っても基準価格が下がるだけで配当埋め
は地合によってするものの・・・・ですし、
配当利回りは3%がいいところですので、よく
本にある期待リターンとは違うようなと。
米国株は直近下げておりますが、結果チャートを
見ると期待リターン並になっていたのでしょうが
日本株のインデックスは???でありますので
コツコツ積立かタイミング投資か どうやって
期待リターンが得られるのか??外貨建MMF
のようにしっくりきませんでしたので。。
これからも楽しみにしております
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