2009年03月21日

連載:リスク資産の複利確率(12)~連続複利を計算してみた

年利10%のとき、わずか1分ごとの複利で金を預けるとしたら、いったいそのときの年利はいくらにすればいいのか? といった計算を前回してみました。そしてそこから連続複利の求め方までみてきました。

前回を振り返ってみます。

半年複利で年利10%となるとき、この半年の金利は、次の式で表すことができました。

1万円×(1+半年の金利)×(1+半年の金利)= 1万1000円
∴半年の金利 ≒ 4.880%

半年の金利を2倍して、年利9.76%の半年複利が、年利10%の単利に等しいことになります。

この計算を一般化すると、年利Rに等しくなる、n回複利の年利rを次の式で求めることができるんですね。

r = n ×((n√(1 + R))- 1)

で、年利10%だとして、いろいろ計算してみました。

半年複利=9.76%
3か月複利=9.644%
1日複利の年利= 9.53226%
1時間複利の年利= 9.53106%
1分複利の年利= 9.53101%

この式で複利の回数を無限大にして、1秒どころか一瞬複利の年利を求めるとと以下の式になります。なぜそうなるかは僕に聞かないでください。

r = log(1+R) …(A)

これが、年利Rに対する連続複利率rを求める式です。

ここまでが前回の復習でした

この式でlogってのが出てきました。logって高校で習いましたよね? あ、もういまはやってないのかな? いずれにせよ僕はすっかり忘れてしまったので、改めてlogについて調べたこともここで書いておきます。

まず、8は2の3乗であるという式を思い浮かべてください。

23 = 8

この式を変形してlogを使うとこうなります。

log28 = 3

2の何乗が8か、という答えが3なんですね。2のことを底(てい)と呼びます。底を変えてみましょう。

log101000 = 3

この式をlogなしに変形するとこんな感じです。

103 = 1000

オーケーですか? それほど難しくないですよね? では、もういちど連続複利の式(A)をみてみましょう。

r = log(1+R)

底が省略されています。省略されているとき、底は10かeのどちらかであることが一般的なのだそうですが、連続複利の式の底はeなのだそうです。

eとは、ネイピア数とも呼ばれる数学界における特殊な数で、2.71828……と小数点以下が無限に続く無理数です。省略せずに式に書き加えてみましょう。

r = loge(1+R)

さて、ではRが年利10%のとき、連続複利率rを求めてみましょう! 式にするとこうですね。

r = loge(1.1)

Excelでこう書くと計算してくれます。lnが、底がeのときのlogを求める関数です。

=ln(1.1)

すると答えがでました。

0.09531018 = 9.531018%

もちろん近似値ではありますが、これが年利10%に対する連続複利率なのです。

次回はこの連続複利率の式や計算結果をいろいろいじって理解を深めてみましょう。

この連載のバックナンバー
早くも帰ってきた! 連載:リスク資産の複利確率(1)~ 連載の目的と前提
連載:リスク資産の複利確率(2)~ 参考書に載っている計算式
連載:リスク資産の複利確率(3)~ リターンとリスクのグラフ化
連載:リスク資産の複利確率(4)~ 収益率が正規分布に従うということ
連載:リスク資産の複利確率(5)~ 正規分布なシミュレーションの設計
連載:リスク資産の複利確率(6)~ 正規分布なシミュレーションをExcelで実行
連載:リスク資産の複利確率(7)~ 食い違う計算結果とシミュレーション結果の「謎」
連載:リスク資産の複利確率(8)~ 謎を解くカギは「B方式」にあるらしい
連載:リスク資産の複利確率(9)~収益率の変化をシミュレーションするという
連載:リスク資産の複利確率(10)~どうして収益率を足しているのだろう?
連載:リスク資産の複利確率(11)~連続複利とは? 無限に連続する複利の金利を求める
連載:リスク資産の複利確率(12)~連続複利を計算してみた
連載:リスク資産の複利確率(13)~連続複利の世界では掛け算が足し算になる!
連載:リスク資産の複利確率(14)~ 収益率を連続複利だと想定したシミュレーション
連載:リスク資産の複利確率(15)~ もういちどこの連載の目的を確認する
連載:リスク資産の複利確率(16)~新たな考え方でシミュレーションを作ることにした
連載:リスク資産の複利確率(17)~シミュレーションのために連続複利年率を求める
連載:リスク資産の複利確率(18)~連続複利年率のリスクの求め方のはずが、どんでん返しに!
連載:リスク資産の複利確率(19)~シミュレーションのための連続複利年率とリスクの求め方とは?
連載:リスク資産の複利確率(20)~シミュレーションの作り直し3度目の正直
連載:リスク資産の複利確率(21)~新しいシミュレーションを試してみる
連載:リスク資産の複利確率(22)~最も重要な公式、N年後の確率分布を求める式を記す
連載:リスク資産の複利確率(23)~複利で増える可能性は明らかに半数未満である
連載:リスク資産の複利確率(24)~リスクは結果のバラつきだけでなく、やはり危険度を表している
連載:リスク資産の複利確率(25)~期待リターンに対して、これ以上とってはいけないというリスクの上限がある
連載:リスク資産の複利確率(26)~長期投資で儲かる確率が上昇するかどうかは、リスクの大きさがカギ
連載:リスク資産の複利確率(27)~これが合理的なリスクの取り方ではないのか!
連載:リスク資産の複利確率(28)~最終回「総集編」

[関連カテゴリ]
H.リスク資産の複利確率

[広告]

[ブックマーク]  Yahoo!ブックマークに登録

≫次 : 連載:リスク資産の複利確率(13)~連続複利の世界では掛け算が足し算になる!
≪前 : 連載:リスク資産の複利確率(11)~連続複利とは? 無限に連続する複利の金利を求める



[トラックバックURL]
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36569/44421760


[コメントを書く]

名前:
Mail:  (必須です。ダミーでも可)
URL:  (必須ではありません)