2009年07月25日
連載:リスク資産の複利確率(27)~これが合理的なリスクの取り方ではないのか!
高い期待リターンを求めて高いリスクをとってしまうと、結局のところ儲かる確率が下がってしまう。一方で、リスクを嫌ってしまうと期待リターンの高い商品はない。では一体どのようなバランスで期待リターンとリスクを考えればいいのでしょうか? 半年以上続けてきた超大型連載も、ついに今回で感動の大団円! 熱い涙でモニタが見えないぜ!
さて、これまでリスクのある金融商品というのは複利で増えることを期待したいけれど、実際には複利で増える確率はどう頑張っても完全に過半数以下であることが分かりました。それどころか、同じ期待リターンでもリスクが高ければ高いほど、複利で増える確率はどんどん減っていってしまうのです。
まさに、リスクは期待リターンの敵です。
例えば、期待リターンが4%、リスクが20%の金融商品の1年後と10年後の確率分布をグラフに描いてみると次のようになります。
この中央値の左右の確率がちょうど50%です。ということは、この金融商品に投資したとき、これより増えるかもしれないし、増えないかもしれない。という真ん中のポイントです。赤い点が平均値(期待値)です。
10年後の中央値は1.234、平均値(期待値)は1.480です。そして10年後の中央値、つまり123.4%以上に元本が増える確率は50%、それ以下になる確率も50%です。
一方、10年後の平均値(期待値)では元本は148%に増えますが、計算の結果この平均値以上になる確率は38.3%、平均値以下になる確率が61.7%です。つまり平均値まで増える可能性は過半数以下です。
この連載で何度も繰り返してきたことですが、投資信託のようなリスクのある金融商品では、平均値すなわち複利でお金が増えていく確率は計算上、50%以下です。複利でお金が増えると期待することはできません。
元本が平均値=複利で増えていくのが期待できないとして、どのくらいのスピードで増えていくのかといえば、少なくとも50%の確率で中央値以上には増えるわけです。
■定期預金と比べてみる
つまり、「期待リターン4%、リスク20%の金融商品は10年後にどれくらいお金が増えるのか?」を考えたとき、計算上次の2つがいえます。
- 10年後に50%の確率で123.4%以上に増える
- 10年後に38.2%の確率で148%以上に増える
このとき、世の中に次のような定期預金があったとします。
- 10年後の満期に元本がN%になります
さて。リスクのある金融商品に投資する価値があるのはどんなときでしょうか? 少なくとも50%以上の確率で、定期預金よりも元本が増えることを期待したいですよね?
定期預金の利率を上回る可能性が2分の1以下なら、定期預金を選ぶ、というのは合理的な選択のように思います。
ただし、ここでは、何が合理的かを深く追究するのは避けておきます。それを議論しだすとまた専門的な議論を山のように積み上げる必要があるためです。
少なくとも僕は、そして僕が想像するだろう多くの人は、「定期預金の利率よりも高い利率を得る確率が50%以上ないと、リスクのある金融商品に投資する価値はない」と思っているはず。ということにしておきます。
ということは、リスクのある金融商品にとって、50%の確率点、すなわち中央値がどのように年ごとに増えていくのか? というのは大事なポイントであると考えることができます。
中央値の増え方が定期預金よりも低い金融商品なら、それを選ぶ価値はないのですから。
では、中央値はどのように年ごとに増えていくのでしょうか? リスクのある金融商品のリターンとリスクからそれが求められれば、それが選ぶべき価値のある商品なのかどうかも分かります。
■中央値は年ごとにどのように増えていくのか
さて、この連載の前提として、金融工学の前提として一般的に考えられている「リスクのある金融商品の連続複利率の収益率が正規分布する」としています。すると、その金融製品に投資したときの確率分布は対数正規分布として求められました。
そこで、対数正規分布の3つの点について確認しておきましょう。
対数正規分布のグラフには3つの点があることは以前にも紹介しました。「モード(最頻値)」と、「メディアン(中央値もしくは中位数)」と「ミーンもしくはアベレージ(平均値もしくは期待値)」です。
そして対数正規分布の期待値と標準偏差がそれぞれμ、σで与えられたとき、対数正規分布は次の式で表せることも何度か紹介しました。
対数正規分布=e正規分布(μ,σ)
この対数正規分布の最頻値、中央値、平均値は、やはりμとσが与えられたときに以下の式で表すことができます。これは公式なので僕は証明とかできないのですが、まあそんなもんだと思ってください。
最頻値 = e(μ-σ^2)
中央値 = eμ
平均値 = eμ+(σ^2)/2
ここでの注目は中央値です。まず、N年後の価格の分布は以下の式で示せることから、
N年後の価格(分布) = e正規分布(μ×N、σ×√N)
N年後の中央値は、以下の式で表せます。
N年後の中央値 = eN×μ
ですから、1年後、2年後、3年後…の中央値は以下ですよね。
1年後の中央値 = e1×μ
2年後の中央値 = e2×μ = e1×μ × eμ
3年後の中央値 = e3×μ = e2×μ × eμ
:
つまりですね、中央値はeμの等比級数なんですね。等比級数ってことは複利計算と同じってことじゃないですか!
例えば、期待リターン5%のとき、リスクが10%、20%、30%のそれぞれについて中央値であるeμを求めると次のようになります。
期待リターン5%、リスク10% → 中央値 = 1.045270 = 4.5270%複利
期待リターン5%、リスク20% → 中央値 = 1.031455 = 3.1455%複利
期待リターン5%、リスク30% → 中央値 = 1.009600 = 0.9600%複利
■定期預金を選んだっていいじゃないか
3番目の、期待リターン5%、リスク30%の場合、50%の確率で0.96%の複利以下になるわけです。計算上は。
ところで、いまネット銀行などでは高金利な定期預金として5年もので年1.0%以上の金利を保証しているものがありますよね。税金などのことを除けば、期待リターン5%でリスク30%の金融商品を買うよりも、この定期預金を購入して確実な複利運用をした方がよい結果に終わる可能性が高いのかもしれません。
そこで、中央値の計算結果をリターンとリスクの組み合わせとして一覧表にしました。
例えば、期待リターン2%、リスク20%の金融商品は、50%の確率で0.94%複利以上で増えていきます(が、50%の確率で0.94%複利以下になるわけです)。もしこれくらいのリターン/リスクの金融資産で運用していたら、だいたい50%の確率で、だいたい年利0.9%くらいの利率のいい定期預金の複利の運用に負けてしまうんですね。期待リターン2%くらいだから定期預金よりずっといい結果になるだろう、と思うと、そこに落とし穴があるわけです。
逆にいえば、高いリスクをとるよりも、定期預金で確実に複利で増やしていく、という資産運用だって、いままで考えられていたほど悪くないのではないか。と思います。
しかし、過去の統計でいえば、国内株式は期待リターン4.8%、リスク22%。外国株式は期待リターン5%、リスク20%程度で、これはうえの表に照らしてみてみても、50%の確率で年利2%とか3%複利以上でお金が増えていく計算になります。ですから、定期金利の利回りが低いときにはやはり株式投資は理屈のうえでは悪くない投資です。
逆に、金利が上昇して定期預金や債券でも3%、4%複利で運用できるのであれば、リスクのある金融商品ではやはり期待リターン7%とかそういった数値を示さないと投資するだけの価値がなかなかでないのだなあと思うわけです。
■投資する価値が分かった
自分なりに、どのような期待リターンとリスクなら、投資信託のようなリスクのある金融商品に投資すべきなのか、というのが理屈のうえで分かったことは、僕にとって大きな収穫でした。期待リターンだけでなく、リスクも、資産を増やす上では重要な役割を果たしているのだ、ということが分かったのです。
■これで連載は一区切りです
さて。思い起こせば半年以上前にはじまったこの連載も、これで一区切りを付けることにします。この連載でいろんなことが分かりました。
- 連続複利とは何かが分かりました
- 投資信託のようなリスクのある金融商品の確率分布は対数正規分布だと分かりました
- リスクとリターンが分かれば、長期投資したときのN年後のリスクとリターンが計算できるようになりました
- 投資信託のようなリスクのある金融商品では、複利は期待できないことが分かりました
- 期待リターンが同じでも、リスクが高いと、長期ではお金が増える確率が減少することが分かりました
- 計算上、投資する価値のある金融商品はどのようなリターン/リスクの組み合わせなのかが分かりました
連載をはじめたときにはおおまかな道筋は頭の中ではできあがっていて、それを確かめつつ進めてきたつもりなのですが、書き進めていく間にもいろんな発見がありました。これほどの収穫があったことはとてもうれしく思います。そして、僕自身、いろんなことを納得し、ほとんど疑問を残さずにこの連載を終えることの達成感を感じています。
もちろん、だからといって僕が導いてきたたくさんの結論に間違いがないとは言い切れません。できるだけ計算過程や理屈を明らかにしつつ、エクセルシートも公開しつつ説明して、間違いがないように努力はしてきましが、お気づきの点があればいつでもご指摘いただければと思います。
とはいえ、それなりに自信のある結果でもあります。また、このように長期投資におけるリスクやリターンを真剣に考えて計算した例はおそらくはじめてだと思います。こうした情報を求めている人に役に立てればうれしいですし、また専門家の方にも、長期投資という個人投資家のニーズに沿った情報提供に努めてもらいたいと思っています。
なにはともあれ、今回が事実上の最終回です。長い連載にお付き合いいただいてありがとうございました!
いくつかコメント欄でいただいた宿題は残していますので、それについては少しクールダウンしたあと、後日談としてこのブログで取り上げていくつもりです。あ、もちろんこのブログは連載が終わった後も続きますよ!
次回は総集編をお送りします。この連載全部を通して読むのはかなり大変なので、それをダイジェストで分かるようにするつもりです。
では次回に!
この連載のバックナンバー
・ 早くも帰ってきた! 連載:リスク資産の複利確率(1)~ 連載の目的と前提
・ 連載:リスク資産の複利確率(2)~ 参考書に載っている計算式
・ 連載:リスク資産の複利確率(3)~ リターンとリスクのグラフ化
・ 連載:リスク資産の複利確率(4)~ 収益率が正規分布に従うということ
・ 連載:リスク資産の複利確率(5)~ 正規分布なシミュレーションの設計
・ 連載:リスク資産の複利確率(6)~ 正規分布なシミュレーションをExcelで実行
・ 連載:リスク資産の複利確率(7)~ 食い違う計算結果とシミュレーション結果の「謎」
・ 連載:リスク資産の複利確率(8)~ 謎を解くカギは「B方式」にあるらしい
・ 連載:リスク資産の複利確率(9)~収益率の変化をシミュレーションするという
・ 連載:リスク資産の複利確率(10)~どうして収益率を足しているのだろう?
・ 連載:リスク資産の複利確率(11)~連続複利とは? 無限に連続する複利の金利を求める
・ 連載:リスク資産の複利確率(12)~連続複利を計算してみた
・ 連載:リスク資産の複利確率(13)~連続複利の世界では掛け算が足し算になる!
・ 連載:リスク資産の複利確率(14)~ 収益率を連続複利だと想定したシミュレーション
・ 連載:リスク資産の複利確率(15)~ もういちどこの連載の目的を確認する
・ 連載:リスク資産の複利確率(16)~新たな考え方でシミュレーションを作ることにした
・ 連載:リスク資産の複利確率(17)~シミュレーションのために連続複利年率を求める
・ 連載:リスク資産の複利確率(18)~連続複利年率のリスクの求め方のはずが、どんでん返しに!
・ 連載:リスク資産の複利確率(19)~シミュレーションのための連続複利年率とリスクの求め方とは?
・ 連載:リスク資産の複利確率(20)~シミュレーションの作り直し3度目の正直
・ 連載:リスク資産の複利確率(21)~新しいシミュレーションを試してみる
・ 連載:リスク資産の複利確率(22)~最も重要な公式、N年後の確率分布を求める式を記す
・ 連載:リスク資産の複利確率(23)~複利で増える可能性は明らかに半数未満である
・ 連載:リスク資産の複利確率(24)~リスクは結果のバラつきだけでなく、やはり危険度を表している
・ 連載:リスク資産の複利確率(25)~期待リターンに対して、これ以上とってはいけないというリスクの上限がある
・ 連載:リスク資産の複利確率(26)~長期投資で儲かる確率が上昇するかどうかは、リスクの大きさがカギ
・ 連載:リスク資産の複利確率(27)~これが合理的なリスクの取り方ではないのか!
・ 連載:リスク資産の複利確率(28)~最終回「総集編」
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・ H.リスク資産の複利確率
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愛犬クロリス (2009/07/25 18:26:09)
まとめ!
楽しみにしています。
預金王 (2009/07/25 21:57:59)
お疲れ様でした^^
巷の株評論家が無能に見えます(笑)
金利3%がすごいリターンに感じますね・・
(市販の住宅ローンはぼったくり!)
のら (2009/07/26 0:50:37)
総集編が非常に楽しみです。
というか、書籍という形にして出版して欲しいです。そうしたら是非、手元に置いておいておきたいです。
deniz (2009/07/26 19:22:32)
長期に渡る連載おつかれさまでした。
改めてどこまでのリターンを自分が求めるのか,
そのためにリスクはどこまでとっていくのかという点を考える良い機会を与えていただいたこと,感謝しています。
次回の総集編は本当に楽しみです。
結局欲張りすぎても,慎重すぎてもダメでそれなり(中庸)のリターンを求めていろいろな組み合わせを各自が行っていくことが大切なのかなと当たり前ではありますけど,そう思いました。
通りすがり (2009/07/28 21:03:45)
リスクとリターンの表の説明で0.94%と説明していますが、表を見ると0.094%だと思うのですが・・・
ワタシの表の見方が間違っているんでしょうか?
K.Y. (2009/07/30 10:39:03)
はじめまして。
毎回毎回のたいへんな力作の連載、楽しみに拝見しています。
記事を読んでいて思いついたのですが、
「資産毎のリターン、リスク、相関係数が与えられたとき、アセットアロケーションが決まればμやσが計算でき、最頻値、中央値などが計算できる」
のですから、逆に
「最頻値、中央値を最適化するアセットアロケーションを(Excelのソルバーなど使えば)一意に計算できるはず」
です。また、「元本保全を最優先」という最適化もできるはずです。
早速、イーノ様の連載を参考に、Excelを組んでみて、いろいろと実験中です。(最頻値最適化と、中央値最適化で、けっこう違うアセットアロケーションになります。なかなか奥が深いです。)
通りすがり (2009/08/01 13:48:34)
すばらしい連載お疲れ様です。
今までリスク・リターンに関する書籍は結構読んだつもりでしたが、
このような考えを拝見したことはありませんでした。
この考えは直感的に納得のいく結論だと思います。
例えば、会社の給料の平均額より、自分が貰う給料の方が低くなる可能性が高いのは
サラリーマンの方であれば、ある程度ご納得いただけると思います。
これは会社の上の方の人の給料が高く、平均を押し上げるためです。
その為、最頻値は平均値より低くなります。
同じことが金融商品のリターンに関してもおこるという事ですね。
http://guide.fund-no-umi.com/tools/aa.htmlで自分のアセットアロケーションから期待リターンを算出していましたが、
その期待リターンは達成できない可能性のほうが高いというのはちょっとショックですが。。。
後、他のアセットアロケーションを取り上げているサイトとの差別化を測るために、
上記の期待リターンを前提とした「アセットアロケーション分析」以外に
「最頻値」を前提とした「アセットアロケーション分析」があっても良いかも知れませんね
(K.Y.さんが実験中みたいですが)。
実際の所、投資の結果は期待リターンの値ではなく、最頻値の値になる可能性のほうが高いでしょうから。
もっとも、最頻値に従った場合、自分のアセットアロケーションがどうかというのは興味があります。
何となく、リスクを取りすぎという結果になりそうな気がしますが。。。
そのときは自分のアセットアロケーションをどうするか考えないといけないですね。
たつぼう (2009/08/02 18:48:36)
はじめまして。
丁度インデックスでポートフォリオを組むのに
リターンに対してどの程度のリスクまでが妥当
なのかわからなかったところでして、非常に為
になる記事でありがたかったです。
早速自分用のポートフォリオとそのリターンと
リスクを求めてみようと思い、効率的フロンティア
の計算をしてみました。
国内 外国 REIT
株式 債券 株式 債券 国内 外国
9% 27% 0% 24% 36% 4%
リターン リスク
4.17% 6.29%
そうしたら、非常にリスクの割にリターンが
大きい、一見素晴らしい組み合わせが出てきた
のですが、やけにREITの比率が大きくなりました。
元となる期待リターン、リスクと相関値は
年金積立(独)のH20のデータと、REITの
ものはちょっと見当たらなかったので野村
の2005年までのデータから引っ張って組み
併せて使っております。(CPI上昇率1%分
をリターンから減らして実質リターンとし
て考え、外国株式・債券は為替ヘッジ有り
の数値にしてあります)
資産クラス リターン リスク
国内株式 3.8% 22.27%
国内債券 2.0% 5.42%
外国株式 4.0% 20.45%
外国債券 2.5% 14.05%
国内REIT 6.8% 13.60%
外国REIT 5.7% 11.41%
こうしてみると、そもそも検討の為の元のデータ
がどれだけ信頼性があるか、どういう意味の値な
のか(CPI込みか、為替の影響や設定期間)という
点も非常に重要な気がしてきました。
イーノ様はこの辺りの数値はどれを使うのが良い
とお考えでしょうか。
私は全て円建てにし、REITやコモディティの様に
データの入手がしにくいものは入れないか、入れ
ても10%以下、というような制限が必要かなと
思いました。これも根拠が無いといえば無いもの
なのですが。
ご意見頂けると嬉しいです。
たつぼう (2009/08/02 21:45:27)
良く見たら、「マーケットポートフォリオ」で配分
を決める、というお考えも出ておりました。
まだそこまで読んでおりませんでした。
失礼致しました。
あとはどのタイミングでリバランスをするか、
ですね。通常は1年区切りで行う様ですが。
仮に株がバブルになっても、リバランス時に
高くなった株を売って他の安くなっている資産
を買うことになりますから、基本的にはここで
帳尻が合うことになるのかと思います。
士季 (2010/03/03 22:57:24)
対数正規分布のメディアンの導出について書きます。
対数正規分布の確率密度関数を0からメディアンMまで積分した値は0.5です。したがって、
M
∫exp[-(LN(x)-μ)^2 / (2 σ^2)] / (x σ √(2π)) dx = 0.5
0
を満たすMを求めればよいです。
上式の左辺で、xからt = LN(x)に変数変換すると、x = e^t, dx = (dx/dt)dt = e^t dt = x dtです。したがって、
LN(M)
∫exp[-(t-μ)^2 / (2 σ^2)] / (σ √(2π)) dt = 0.5
-∞
となります。
上式の左辺の被積分関数は正規分布の確率密度関数ですから、この関数を-∞から平均μまで積分すると0.5です。
したがって、LN(M) = μとわかり、M = e^μとなります。
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