2009年11月 1日
グローバル投資のシミュレーション「世界の投信王」は売買手数料も入れるべきなんじゃないか
日興アセットマネジメントが「世界の投信王」というシミュレーションを始めました。参加者がファンドマネージャとなり、31の国や地域のインデックスに対する10億円のアセットアロケーションを考えて、運用成績を競う、というもの。
いまは準備期間のようですが、運用シミュレーションはもう始められるみたいです。本番は来年1月から12月の1年間。年間の成績優秀者には、投資対象国や地域へのペア旅行券が贈られたり、日興アセットマネジメントが総合的に高く評価した方には、「商品開発アドバイザー」候補者選考の対象として検討するとのこと。
なかなか面白そうですね。
僕はもっぱらのんびりするために投信を利用しているので、ファンドマネージャになることに興味はないのですが、どのような運用スタイルが優秀成績となり、どのように評価されるのかは興味があります。
もちろん、多くの人は例えばエマージングに比重を置いたポートフォリオだったり、国別の景気動向を先読みしたアクティブ運用をすることになるのでしょうし、それとMSCIの配分に沿った教科書的インデックスポートフォリオを運用する人がいたとして、両者にどのような差が付くのか、にも興味があります。
ただし不満なのは、シミュレーション内での売買手数料がまったくかからないこと。ポートフォリオを構成する国別・地域別インデックスファンドからは信託報酬が差し引かれるというリアルさがあるのに、ルールを読む限り売買手数料はかからないようなので、ポートフォリオの内容をひんぱんに入れ替えたとしても何のペナルティもないようです。
実際にはどんどん売買を繰り返す投資信託というのは、あまりよい運用とはいえないと思います。しかし「世界の投信王」に関しては、回転売買してでもよい結果が得られればよい、ということになると、そこに誤解が生まれるのではないかと心配です。
僕としては、せっかくここまで真剣にやるんだったら、売買手数料も考慮に入れようよと思ってしまいます。できるだけ手数料をかけずに、しかしよい運用をする、というくらいリアルにしてほしかったなあと。
追記:前回のエントリで書きました、「三菱UFJ投信の「eMAXIS」をテーマにしたブロガーミーティング開催」ですが、締め切りは過ぎてしまいましたがまだ定員に余裕があるそうです。もしご興味がある方は、まだ大丈夫ですのでぜひ申し込んでみてください! 僕も参加しますし、水瀬ケンイチさんも参加するそうです。当日お会いしましょう!
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他の株式などのバーチャルトレードでも手数料分は考慮されていないですね。
投信のシミュレーションなら信託手数料などもあるとよりリアルになりそうなのですけれど。手数料はあったら面白いですね。
手数料は投資成績に結構大きな影響を及ぼす要素ですので。
こういっちゃ悪いですが、これダメダメですよ。
サルにダーツを投げさせて作ったポートフォリオでも、千通りくらい作れば教科書的な手法を上回るものが【必ず】いくつか出てきます。
同じ理由で大勢の人で競争するって時点で王道的な無難な手法では絶対にランキング上位に入れないことは確定しています。
ランキング上位に入った人は、そういう選択をした理由を合理的に説明できるとしても、その結果が「本当に判断が正しかった」のか「たまたまうまくいっただけ」なのかを客観的に区別する方法はありません。(以前山崎元さんもそういうことを書いていました)
たった一年間の運用成績で上位に立つ人なんて「運がよかった」以外の何者でもないですよ。
売買手数料を入れようが入れまいがそれは変わりません。
HLAさん、アルビレオさん、こんにちは。
HLAさん、株のシミュレーションでも手数料はないものなんですね。知りませんでした。
アルビレオさん、売買手数料があれば、回転売買することによって明確に不利になり順位は下がるわけで、そういうことが反映されるシミュレーションにするべきではないかと思うわけです。そうすれば「全部運次第」よりマシだと思うんですよね。
やはり1年は短期勝負なので、思いっきりリスクをとって上位をめざすのが「ゲーム」として正しい戦略になると思います。
他人と順位を競うのが目的の場合は、手数料は(とくに上位、下位のランキングの人には)全く影響を及ぼさないと思います。ランキングの真ん中へんの人にとっては手数料が若干の順位変動を生む可能性がありそうですね。
ランキングをまったく気にしない場合(人生における投資行為はこれに近い)は手数料を節約することは意味があるかもしれません。
>回転売買することによって明確に不利になり順位は下がる
全体の平均的な傾向としてはそうなるでしょうけど、ランキング上位のみを抽出した場合は違います。
運だろうが見事な予測だろうが、ランキング上位に入るような大きなリターンであれば手数料による差なんて微々たるもので、上位のランキングにはほとんど影響がありません。
この手のゲームの目的は「ランキング上位に入ること」であって、いくら大きなリターンを得ても上位に入れなければ無意味なんです。
この違いってけっこう大きいですよ。
確かにゲームとしては、なんでしょうけれど。
上位と下位が真逆のポジションだとは聞きます。
せめて最終結果では回転率もランキング要素に入れて欲しいなとは思います。
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