2009年12月13日
いま解きたいけど解けない投資信託についての疑問を並べてみる(1)
ここしばらく忙しくてあまりブログを更新できずにいましたが、それでも投資信託に関する本は読んでいました。そしてまた、むくむくと疑問がわき上がってきているのです。
さて、このブログの以前からの読者であれば、僕が以前からえんえんと「投資信託のようなリスク資産における10年や20年先の将来の期待リターンとリスクはどれくらいだろうか?」ということに思いをめぐらせてきたのはご存じの通りと思います。
その疑問に自分なりに決着をつけたのは、記事「連載:リスク資産の複利確率(28)~最終回「総集編」」なのですが、しかしこれで僕は自分の疑問がすっきり解決できたとは思っていません。
まだ直感には反するのです。例えば「投信まとなび」では毎週、習慣マーケットデータシートというのを公表しています。この12月4日時点での情報の中に「4資産と分散投資の資産額推移」というグラフがあります。
これは国内株式、国内債券、海外株式、海外債券に均等に分散投資していたときに資産の値動きがどうなっているかを示したグラフです。このグラフによると、94年を100としたとき、15年後の現在では184になっている、ということが分かります。
15年で184に増えたということは、1年あたりに直すと約4.15%ずつ増えてきたことになります。元本100で4.15%ずつの15年複利が184になりますからね。大事なのは、幾何平均でこの数字を求めたことです。
で、直感で考えれば、過去15年が4.15%複利で増えたのだから、今後も4.15%複利で増えることを期待してもいいですよね? 直感ではね。
これは「過去には複利で4.15%ずつ増えてきたと計算できる。だから将来も複利で4.15%ずつ増えると予想する」という言葉の根拠になっているし、こう説明されれば「なるほどそうかも」と思います。僕もそう思います。
ところが、僕が前述の記事通り、リスクのある資産の複利確率を求めた結果によれば、ある期待リターン(ここでは4.15%)に対してリスクがあるとき、期待リターンで増える確率は50%以下、ということになります。
この直感と、以前僕が数式で求めた結果の食い違いをどう考えればいいのか、どうもすっきりしないところです。
細かく考えれば、僕が「リスク資産の複利確率」の前提として考えていた期待リターンとは、期待リターンを連続複利の年率として表したものなので、上記のように単純に過去の実績の1年あたり複利(つまり幾何平均)にあてはめている、というところに違いがあるのかな、という気がしています(しかし連続複利にすると、もっと年利が下がるんですよね……)。
この辺、じっくり考えなければならないなと思っています。
今回のエントリは自分で自分の疑問を忘れないようにするための自分のメモみたいなものです。まだまだ知りたい疑問があるのですが、1つ書いたところでいったん区切ります。まだまだ続きますが、ひとまず。
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こんばんは
Porcoさんがイーノさんと同じようなシミュレーションをされています。
http://ningyocho.blogspot.com/
一応お知らせまで・・
Tansney Gohnさん、情報ありがとうございます。さっそく見に行ってみます!
問題はいつ?解約するかですよね^^;
リスク資産が上がればもったいないと思うし、下がれば損するのが嫌だと思うし・・
イーノ様は出口戦略を考えておられますか?
4.15%はリスクを考慮していない、と言う事と、そもそも複利で増加する可能生が低いという定義と、過去のリターンを一年複利で表す事自体が食い違いと言うより矛盾している、といった事ではないでしょうか。
複利という発想自体が、毎年同じようなリターンが高い確率で実現されると言う正規分布に基づいているようにも思いますし。
バリュエーションの計算等には割り引く計算は意味があると思いますが、実際の実現可能性で言うと、雪だるまが確定した借金だけが複利で増える、といえるのではと思いました。
すいません、まとまってませんね。。
預金王さん、こんばんは。
いつ解約するか、は今回のテーマとは関係しないでしょ。おおまかには複利の確率について考えてるのであって。
nyさん、こんばんは。
うーん、むずかしいですね。
>>実際の実現可能性で言うと、雪だるまが確定した借金だけが複利で増える、といえる
ny様
おっしゃる通りだと思います^^
イーノ様
すみません。。関係のない内容かもしれませんが、リスク資産の場合は売値によって大きく複利の威力も変動すると思うのです・・
確定利付きの場合は
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%A9%E5%AD%90#.E9.80.A3.E7.B6.9A.E8.A4.87.E5.88.A9.E3.81.A8.E5.85.83.E5.88.A9.E5.90.88.E8.A8.88
>1/k年、各期の利率p/kの預金期間n年の元利合計
の図式で、もとめられるのですが
僕が悩むのは、結果から、15年間複利の利益を出すにあたって、わざわざマイナスの日本株式を入れる必要が有るのかどうかよくわかりません。
イーノ様、
トラックバックさせて頂いております。
投信・インデックス投資家達の関心の高さには正直驚いています。
これからも宜しくお願いします。
porcobutaさま、コメントありがとうございます。エントリ、拝見させていただいています。大変興味深いですね。
トラックバックをお送りいただいたとのことなのですが、私の方の管理画面にでてきませんでした、お手数ですが再度お送りいただけると助かります。
イーノ様、
ブロッガーはトラックバック機能がついておりませんで、参照先として使用させて頂いたと言う意味でした。 宜しくお願いします。
もっともっと、後の時代にでも実現して欲しいのは、ある時代から自動解約システムができて欲しいと思います。
毎月分配・毎月購入はあるけど、毎月解約だけは未だにありません。僕が定年する後27年後ぐらいまでには・・・。
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