2010年02月 6日

アセットアロケーションの普及にはデータとツールが必要

先日のインデックス投資ナイトのテーマはアセットアロケーションでした。インデックス投資が広まるにつれ、徐々にインデックス型投資信託やETFといった個別の商品から、それらをどううまく組み合わせるか? に興味が映るのは自然なことです。

ポートフォリオのリターンでもっとも大事なのは、アセットアロケーションだということは知られていますし、僕も以前、その基になった論文についてこのブログで徹底的に調べました

長期投資、かつ低コストなインデックス型投資信託が手軽に入手できるようになってくれば、今度は「自分に合ったアセットアロケーション」が誰でも容易に求めることができる、ということが大事になってくると思います。

ところが、そこには大きな2つの障害があります。それは多くの人も気がついていると思いますが、1つはアセットアロケーションを計算するためのデータがほとんど公開されていない、ということ、そしてもう1つはアセットアロケーションの計算をするためのツールもほとんど公開されていないのです。

データもツールもない、というのが現状です。

僕はこうした現状をなんとかしたくて、昨年「アセットアロケーション分析」というツールを開発して公開しました。

これでツールは出てきましたが、問題はデータです。いまは、アセットアロケーションの計算のために手軽に入手できるデータは1つしかありません。「年金積立金管理運用独立行政法人」、略称GPIFと呼ばれている、国の年金や厚生年金を運用している団体が公開している情報のみです。

しかしこの情報も、日本の債券のリターンが3%になっているなど、首をかしげたくなるようなデータになっています。

本当は、過去日本の株式、債券、海外の株式、債券それに、新興国や進行マーケットといったさまざまなアセットクラスの過去の生データが入手可能になっていて、そこから計算できればいいのですが、現実にはこうしたデータはほとんど公開されていません。

インデックス投資が徐々に普及するにつれ、アセットアロケーションの重要性はますます増大していくというのに、僕たちの手元にはその基本となるデータさえありません。この状況をなんとかしたいなあ、と僕は考えています。

[広告]

[ブックマーク]  Yahoo!ブックマークに登録

≫次 : いま解きたいけど解けない疑問を並べてみる(2)
≪前 : フィデリティが「今月積立し忘れました」とお詫びの連絡

矢向 (2010/02/06 23:29:45)

おつかれさまです。
実際は、国内債券は2%くらい?(国債以外も考えると・・)それ以上に、株式インデックスは0~-10%?とかに成るのでしょうか・・・

預金王 (2010/02/07 9:03:04)

>日本の債券のリターンが3%

今後、金利上昇(債券暴落)も考慮しての過去のデータでしょうね^^;

他にも
http://www.kkr.or.jp/shikin/index.htm
ツールでは
http://www.sonylife.co.jp/servlets2/Query?SRC=sonylife2/pfsim&init_rscore=0

これらも参考になりますね!
インデックスナイトで山〇元さんは怪しげなツールと云われてましたが・・

ファンドの海管理人(イーノ) (2010/02/07 15:53:52)

矢向さん、こんにちは。債券はまあ良くて2%でしょうね。

預金王さん、こんにちは。
Sonyのツール、よくできているとは思うのですが、課題はデータがオープンになっていないので、検証しようがないというところだと思ってます。

吊られた男 (2010/02/17 22:40:01)

http://www.iicp.co.jp/library/government_bond/
上記のデータを使って日本国債の利回りを計算してみました。

10年国債の25年間の平均利回り(1986-2010)で3.01%のようです。
直近20年に縮めると2.41%、直近15年にすると1.64%、直近10年にすると1.41%です。

株式データでよく30年程度のデータを使っていることを考えると、国内債券で3%というのは悪くない数字かと思います。

ファンドの海管理人(イーノ) (2010/02/20 15:02:06)

吊られた男さん、こんにちは。なるほど、ヒストリカルデータ通りだとそうなるんですね。勉強になりました…でも実情には合ってないよなあって、思います…

通りすがり (2010/03/14 17:26:47)

アセットアロケーションを分析するのとは別にアセットアロケーションを作成(最適化)できるツールもあっていいんではないかと思って作ってみました。
http://untanuntanuntan.blog76.fc2.com/blog-entry-17.html
ご参考までにどうぞ。

leaf (2010/04/19 8:22:15)

http://www.iicp.co.jp/library/government_bond/
を見るかぎり、2010年の20年国債の応募者利回りは 約2% 。

国内債券の名目期待リターン3.0%
=実質長期金利2.0%(=国内債券の実質リターン)+CPI上昇率1.0%。

私は、日本の債券のリターンが3%になっていることに違和感はありません。
イーノ様は、どこに違和感があるのでしょうか?
違和感の原因は、物価上昇率でしょうか?

イーノ・ジュンイチ(ファンドの海) (2010/04/19 21:49:57)

leafさん、こんにちは。
違和感の原因は、実際に販売されている個人向けの金融商品にはそのような利回りのものがないためですね。個人向け国債で1%前後ですので、一般個人が計算に用いる数字としては違和感があると思っています。

leaf (2010/04/20 16:22:16)

イーノ様、ご回答ありがとうございました。
確かに、そのような利回りの商品はないですね。。。

eMAXIS の月報を見てみました。


eMAXIS 国内債券
最終利回り 0.90%
デュレーション 6.53年

最終利回り - 実質コスト
= 0.90 - 0.42 = 0.48

eMAXIS 先進国債券
最終利回り 2.70%
デュレーション 5.74年

最終利回り - 実質コスト
= 2.70 - 0.672 = 2.028


こうして見ると、
国内債券は、eMAXISであれ、国債であれ、期待リターン 3% とは言いづらいですね。

通行人 (2010/07/12 21:16:32)

時系列データではありませんが、アセットアロケーションを検討するためだけなら、
http://www.kier.kyoto-u.ac.jp/fe-nomura/katou/05.06.14.pdf
のp.41が参考になりました。

ただ、このデータをそのまま平均分散法で使うとREITやコモディティ、ヘッジファンドへの投資比率がやたらと高くなってしまいますが…。



[トラックバックURL]


[コメントを書く]

名前:
Mail:  (必須です。ダミーでも可)
URL:  (必須ではありません)