2010年02月28日
続、リスクが高まるとリターンを蝕んでいく。試せるグラフ付き
リスクが同じでもリターンが大きくなれば、結果が悪くなる可能性が高くなる、ということを昨日のエントリ「リスクが高まるとリターンを蝕んでいく」で紹介しましたが、あのあと急に思い立ってプログラムを組んでみました。
前回の記事では、リスクが増えると20年後には高いリターンを得られる可能性が減少していくことを、エクセルのグラフで紹介しました。
例えばこれは期待リターン7%、リスク10%の投資信託を20年保有したときのグラフ。青い線は期待リターンどおりに複利で増えていったときの線。

これが、期待リターンは7%のまま、リスクを20%にすると、なんと最頻値が元本割れになる、つまりもっとも可能性が高いケースは元本割れである、ということになります。

で、こうしたグラフをご自身でも試せるようにとエクセルのシートを公開しました(probablity_distribution_of_20years.xls)。これをダウンロードしていただければ、どなたでも上記のグラフを試せますし、シートを分析すれば僕がどのように計算してこのようなグラフを描いたかが分かります。
でも、エクセルのシートをダウンロードして試すのは面倒ですよね? ええ、分かってますとも。僕だって、ほかの人が公開しているファイルをダウンロードして試すなんてことはめったにしませんからね。
そう思って、昨日あのエントリを書き終えた後で、なんとかWebページで同じようなグラフを描けないかなと思ってプログラムを作り始めました。で、できました。
横棒グラフによる確率分布グラフまでは作れませんでしたが、このWebページ上に、20年分の期待リターンの複利、中央値、最頻値を示す折れ線グラフが自動的に描画されるプログラムを作りました。
以下の「期待リターン」のところに期待リターンを、「リスク」のところにはリスクを入れてみてください。自動的にグラフが描画されます。これで、期待リターンが同じでも、中央値、最頻値がリスクによって変動すること、実感していただけると思います。
■期待リターン
■中央値
■最頻値
前回も書きましたが、どのように計算しているかは、以前のえんえんと連載で書いてきた内容をご覧ください。これ関係のネタまだ続けるつもりです。
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投資信託を趣味にしているビジネスマン、イーノ・ジュンイチです。いつもご愛読ありがとうございます!




期待リターンが高くても、(期待?)リスクが低ければ成功しそうですね^^;
理論的に合理的な投資を考えれば、外国株式とリスクフリーレートの割合を20年前に遡って計算すると、ちょっと外国株式が上を行きますが、実際はMSCIがなかったので微妙なところです・・
預金王さん、こんにちは。そうですね、期待リターンに対して十分にリスクが低ければ、良い結果に終わる確率を高められます。
そのためにはやはりアセットアロケーションをちゃんと考えて、相関の低いアセットクラスを組み合わせることで、期待リターンをできるだけ下げずにリスクを下げる、ということが大事になってくると。やはりアセットアロケーションが大事になってくるわけですね。
ヲヲ、コレは素晴らしい。
おそるおそる、自分のアセットアロケーションを入れてみました。
将来的にはポートフォリオグラフメーカーのようにブログに貼れるとさらに素晴らしいと思います。っていろいろツールを使わせていただきながら図々しいですね(;´∀`)
いつも勉強になります。
最近、相関がどんどん高まっている中で、伝統的なポートフォリオではリスクを下げられないと考えています。
そこら辺も話題にしてくれるとまた皆さんの一助になるのでは?(厚かましいなぁ)
個人的にはタレブ先生的「果ての国」少々と「月並みの国」多め、高リスク高リターンと低リスク低リターンの組み合わせがいいのではと思っています。
質問があるので教えてください。
この一連のシュミレーションでは、過去の運用結果と、未来の運用結果を独立事象として扱っているのでしょうか?
本来は、従属事象のような気もするのですが。。。。
Lさん、こんにちは。
正確に返答すると、あくまでも「期待リターンとリスク」という2つのパラメータと、あるモデルに基づいて将来をシミュレーションするものです。期待リターンとリスクは一般に過去の運用結果から算出されることが多いですが、それがどのように算出されているかについては、このシミュレーションでは関知していません。ですから従属しているか、していないかはあいまいだと思います。
ご回答、どうもありがとうございました。
私個人は、
短期金融市場を支配しているのは、ランダムウォーク理論だと思っていますが、
長期金融市場を支配しているのは、経済成長率だと考えています。
そして、短期の金融価格変動率は、毎日独立事象だと思っていますが、
長期の金融価格変動率は、毎年従属事象だと推察しています。
(長期的には、経済成長率と正の相関があると考えているからです。)
本題とずれて、コメントにある従属か独立かについてですが、
金融価格変動を考える時には為替レートなども関わってきており、これは難しいところだと思います。
例えば金融商品の代表格である債券の期待リターンについては、どの国の債券を買っても期待リターンは同じという説もあります。
具体的事例としては、2007年ごろまでは高金利通貨が買われて短期的には高いリターンをもたらしました。しかし、その後の購買力平価による(?)円高による調整によって、10年~というある程度長い期間においては、低い成長率の日本と高い成長を遂げた国のリターンがほぼ同水準となっています。
このような為替レートによる調整などを考えると単純に経済成長率が金融商品のリターンと正の相関があるというのはそう簡単ではなさそうという気がしています。
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