2011年07月10日

インデックス投資でいいのだろうかと、ちょっと思うこと

ごぶさたしてます。震災以後ちょっと忙しくなったりして。ブログはぼちぼち続けますので今後もおつきあいください。さて、震災後にちょっと思っていることを今回は書きます。それは東京電力株について。

ご存じの通り、東日本大震災によって福島第一原発は事故を起こし、東京電力と政府がその対応にあたっています。東京電力はその事故の対応のために汚染水の処理施設の建設などに大量の出費を行っていますし、原子力事故によって避難せざるを得なくなったひとたちや、放射能汚染の被害にあった漁業関係者のひとたちに賠償を始めています。

東京電力がこの原子力事故でどれだけの出費をしなければならないのか、いまのところ見当もつきません。

普通の会社なら、倒産することは間違いないでしょう。でも、東京電力は倒産しそうにありません。倒産させずに政府が支えつつ賠償を続けるスキームを政府が考えているためです。

僕はちょっと考えました。本来は倒産しているはずの会社が国に支えられて生き続ける。その会社の株というのは市場において適切なものなのだろうか? と。本当なら紙くずになっているはずの株が、なぜか人工的に支えられることで値を付け続けているわけです。それはゆがんだ株価だろうと。

で、東京電力の株式はTOPIXの算出に使われていますし、日経225にも影響しているはずです。

それでいいんだろうか、とちょっと思います。ゆがんだ株価が入っている平均は、本当に市場平均なんだろうかと。いや、ゆがんだ株価だって市場の一部なんだから市場平均なのさ、といわれればそれまでなんですけどね。それに株価が歪んでいるのは東京電力だけじゃないだろうし、とか。

また、インデックス投資をすれば、その一部の資金は東京電力株の購入にもまわることでしょう。人によって考えは違うのだとは思いますが、僕は道義的に考えればいま東京電力の株を買う気にはなれません。でもインデックス投資をすれば自動的に買うことになってしまう。

投資には、冷静になって結果を追い求める行為と、企業を投資によって応援するという気持ちのこもった行為の2つが混じり合っているものです。そしてインデックス投資は前者に重きをおいた投資行為だといえると思うのですが、こういうときにはそれでいいんだろうか、とちょっと思ってしまいます。

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預金王 (2011/07/10 21:05:25)

難しいですね。
バリュー投信の大御所だったこのアクティブ・ファンドも
http://www.tdasset.co.jp/fund/monthly/AVO_201102.pdf
すぐ損切りしたようですが、一気に下落しましたし・・
個別株で銘柄を自分で選び、気に入らなくなったら売るとか^^;

さわかみを私も持っていますが、IHI・JAL・吉野家・ドトールなど、インデックスよりもお先に!
してますし、アクティブ運用はクルマでいえばマニュアル車なのかもしれません(投信は操作不能ですが・・)

S株とかおもしろいですよ。数万で数銘柄好きなの買って放置していると、意外にインデックスに勝ててることもありますし。私は某携帯会社(ITバブル株)のウエイトが突出していて、スリル(リスク)満点です^^
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=9984.T&ct=z&t=ay&q=l&l=off&z=n&p=&a=&c1=71311998&c2=54313013&x=on&y=on&bc=%E6%AF%94%E8%BC%83

オデュッセウス (2011/07/10 21:20:20)

インデックスを買いつつ、東電株を信用で空売りすれば、東電を除外したインデックス投資を合成できます。

問題は、構成比率を調整するのが難しいことですが……。

イーノジュンイチ(管理人) (2011/07/11 12:35:54)

預金王さん、オデュッセウスさん、コメントありがとうございます。

預金王さん。投資結果の勝ち負けもあるのですが、今回東京電力株に思うのは、市場をゆがめているもの、道義的に問題のあるものに機械的に投資してもいいのだろうか、という疑問です。

オデュッセウスさん。空売りは思いつきませんでした。そのあたりは疎くて。でも投信の組み入れ比率がわからないと、たしかにできませんよね。

porcobuta (2011/07/12 8:35:49)

イーノさん、お元気そうで何よりです。

イーノさんのお考えになった問題はインデックス・ファンドが始まった時点からありました。

初めてインデックス・ファンドの本格的なマーケティングを始めたのは、現在のバークレーズ・グローバルの前進であるウェルス・ファーゴ銀行の投資顧問部だったのですが、彼らは自社株を買えなかったので、ウェルス・ファーゴ(WFC)抜きのインデックスを組成しなくてはなりませんでした。この場合「WFC抜き」は運用者の都合でしかありませんから、抜きでもSP500に連動する必要がありました。これは技術的な問題ですが、日本でも信託銀行は同じ問題を抱えていました。

一方で倫理的な問題として、南アフリカが未だアパルトヘイトを実施していた頃ですが、一部の公的年金やマイノリティの加入者の多かった年金では南アフリカでのビジネス・エクスポージャーの高い企業に投資することができませんでした。これは例えばフォードなどです。この時に問題となったのは果たしてこうした企業抜きでファンドはSP500に連動すべきであるのか、あるいはこうした企業抜きでのベンチマークを別に立てるべきなのかどうかでした。

またイスラムの国がインデックス投資を依頼した場合、今度はユダヤ系企業をインデックスから控除せよとの要請も出ました。これは結構な金額であったので確かそうしたインデックスがあったと思います。残念ながら今すぐに思い出すことができませんが。

そして相場見通し+コンプラ上の問題からです。バブル崩壊以降、日本の銀行株に公表されない不良債権問題があるとして、銀行株抜きでインデックスを組成する外人投資家もいました。これは90年以降の銀行株の時価総額比率の推移を思い浮かべれば想像がつくかと思いますが、トピックスを相当アウトパーフォームしたのです。

TOPIXが市場を代表しているのか?も含めて考えさせられる問題ですね。

と言うわけで少しでも参考になれば。  Porco

イーノジュンイチ (2011/07/13 21:08:30)

Porcoさん、ごぶさたしてます。
コメントありがとうございます。これまでも同じようなことはたくさんあったのですね。考えてみれば当然のことですね。
大変勉強になります。



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